- Perlはオワコンで活かしどころは無い?
- Perlのフリーランス案件の単価は?求人数は?
- Perlユーザーにはどんな仕事の種類がある?
Perlは未だユーザーも多く、開発コミュニティも活動中です。しかし、なにかと絶滅危惧種として話題になってしまうのはなぜでしょうか?
事実、数年前からPerl人気は急落しており、他のトレンド言語にその地位を奪われているため、Perlに依存したままではエンジニア人生が詰んでしまします。
私はエンジニア歴21年の中で、会社やプライベートでC/C++のようなレガシー言語からトレンド言語まで幅広い開発をしてきました。しかし、その時の状況に対して不向きな言語を選択してしまう失敗もたくさんしてきました。
この記事では、Perlの特徴、フリーランス案件の単価相場・求人数、職種、将来性について解説します。
この記事を読めば、Perlユーザーのあなたにとっての「Perlの活かし方」がわかるようになります。
【結論】
Perlは終わりつつある言語で新しく学ぶ必要性はない。フリーランスがメイン言語とするのは無謀だが、サブ言語として補助的に個人のツール開発などに使うには未だ便利で秀逸な言語。
「Perl」とは?
Perlはベテランエンジニアであるほどユーザーも多く、広く普及した秀逸なプログラム言語です。しかし、最近のIT開発ではPerlの採用は激減しており、「終わった言語」と言われているのが現実です。
本章ではPerlの特徴とオワコンと言われる理由について解説します。
Perlの特徴
Perl(パール)はラリー・ウォール氏によって開発された30年以上の歴史があるインタープリタ型のプログラミング言語です。
正規表現など強力な文字列処理を持っているため、テキスト処理を行うアプリケーション開発でよく使われます。
Unix系コマンドであるsed、awk、シェルスクリプトでは物足りないときに、より高度なプログラマブルな処理がカンタンにできるPerlが重宝されます。
歴史的にCGI(Webサーバーから起動されるプログラム)に使われてきた経緯があり、当時はPerl一択でした。しかし現在では、バックエンド開発としてPHP、Ruby、Python、Go言語、Java、etc. 代用できる多くのトレンド言語があり、その地位が奪われている状況です。
未だPerlのコミュニティは活動中で、オブジェクト指向拡張、スレッド、リフレクション、ガーベージコレクション、etc. 積極的に新機能を取り入れられています。
オブジェクト指向拡張はされてはいますが、Rubyなどのように最初からオブジェクト指向を前提に開発された言語ではないため、後付でキレイとは言い難いです。
Perlは30年以上もUnix環境の第一線で使われてきた功績は大きく、ユーザーも非常に多い。言語としては安定していて秀逸!
過去のPerlで作られたプログラムを保守する人や、資産化を前提としていない小規模な便利ツールを作りたい人は今でもPerlを使う意義はあるため、トレンド技術の採用にあまり積極的でない企業からのフリーランス案件は少し残っている状況です。
しかし初心者には、次のようなプログラミング言語の習得をおすすめします。
プログラミング言語の種類が多すぎて選べない! 初心者が学びやすい言語は? フリーランスエンジニアが安定して稼げる言語は? 生涯フリーランスエンジニアを目指すあなたにとってプログラミング言語選びは重要。言語の流行り廃りのサイクル[…]
Perlの特徴のまとめ
- コンパイル不要のスクリプト型言語(インタプリタ、動的型付け言語)
- 30年以上の歴史があり安定している
- 正規表現を使ったテキスト処理に強い
- CGIで多く使われてきた経緯があるが、今は多言語に地位を奪われている
- CPANモジュール(≒ライブラリ)が豊富で開発効率も良い
- コードが汚くなりがち
Perlがオワコンと言われる理由
先述の通り、Perlは世間一般には「終わった言語」と言われています。
Perlは長年に渡り、Unixシェルスクリプト、sed、awkでは対応しきれないテキスト処理を支えてきた秀逸な言語にも関わらず、なぜ、そこまで避けられるのでしょうか?
その大きな要因としては、コードの自由度が高すぎて読みづらく、メンテナンスしづらい点があります。
実際に私も省略の美学を追求した独りよがりのPerlソースコードを引き継ぎ、地獄を見た経験が何度かあります。
その結果として、Perlが新規案件で採用されることはほぼなくなってきているのが現状です。
Perlがオワコンと言われる理由
- 可読性・保守性が悪い
- 言語仕様が膨大で学びづらい
- 学習環境用の書籍も古いものが多い
- オブジェクト指向ではない ※拡張されているが使いづらい
- Webプログラミングの領域は他のトレンド言語に地位を奪われている
- エンジニア数も減少しており、コミュニティも弱くなってきている
他者から読みづらいコードなことは、大規模開発が主流の今の開発では致命的だぞ。
Perl人気の凋落がわかるデータ
オランダ のTIOBE が公表した「TIOBE Index for August 2021」では、Perlが過去最低の20位と、2020年の13位から大きく順位を下げています。
TIOBE Indexより、Perl人気は下降中で20位
同じくTIOBEのPerl人気の傾向からは、Perl歴史の長さと人気の下落傾向が顕著に見えます。
TIOBEのPerl人気の傾向より、Perl人気は2005年をピークに下降中
傾向としてPerlは、2006年〜2010年くらいにかけて国産のRuby人気に地位を奪われるように失墜しています。しかしそのRubyも今ではオワコンと言われるようになってきています。Rubyについては次の記事を参考にしてください。
Rubyをメイン言語としてフリーランスで稼げる? Rubyのフリーランス案件の単価は?求人数は? Rubyが活かせる仕事の種類ってどんなものがある? Web業界を目指すエンジニアであれば「Ruby」とそのフレームワ[…]
Perl案件の単価相場・求人数
Perlフリーランス案件の平均単価は73万円/月で求人数も280件と、Perl人気は凋落しつつも尚、ある一定のPerlのフリーランス案件が残っていることが次のデータからわかります。
Rubyの求人・案件の月額単価相場 ※2021/8/22時点
» 引用元|レバテックフリーランス - 単価相場を比較
このデータを見ると「終わった言語なのにそこそこ高単価がとれる?」と思ってしまいそうですが、これはPerl習得者はベテランエンジニアであることが多く、総合力で高単価になっているだけだと思われます。
プログラム言語別の月額単価相場(単価の高い順) ※2021/6/22時点
言語 |
平均単価 |
最高単価 |
求人数 |
Kotlin |
82 |
125 |
553 |
Scala |
82 |
165 |
284 |
Go言語 |
81 |
145 |
692 |
Ruby |
80 |
145 |
1586 |
Swift |
79 |
125 |
929 |
R言語 |
79 |
95 |
46 |
Python |
77 |
145 |
1474 |
Perl |
73 |
110 |
280 |
JavaScript |
72 |
145 |
4119 |
PHP |
72 |
145 |
3824 |
C++ |
71 |
125 |
553 |
Java | 69 | 165 | 5791 |
C# |
68 |
115 |
1608 |
C言語 |
67 |
115 |
95 |
SQL |
65 |
145 |
1828 |
VB.NET |
61 |
95 |
600 |
COBOL |
61 |
95 |
160 |
» 引用元|レバテックフリーランス - 単価相場を比較
次の調査結果から、Perl案件は求人数も少なく、単価も最低レベルであることがわかります。
HRogリストの給与と案件数の相関関係より
» 引用元| HRogリスト(フロッグリスト)
Perlだけでは高単価は狙えません、多言語の習得も視野に入れて「フリーランスエンジニア案件の単価を上げたい」という方は次の記事を参考にしてください。
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Perl案件の種類
先述の通り、Perl案件は一昔前と比べると激減している状況です。しかし企業によっては過去資産の保守などの理由により、フリーランス案件も一部残っています。
本章では現在も出ているPerlの求人内容について紹介します。
- 【種類1】Webサービスの開発案件
- 【種類2】業務システムの開発案件
【種類1】Webサービスの開発案件
Perlは汎用的なテキスト処理が得意なプログラミング言語ではありますが、歴史的にCGI(Webサーバーから起動されるプログラム)に使われ発展してきた経緯があります。
昔はCGI開発はPerl一択だったため、昔からあるシステムにはPerlで実装されているケースが多いのです。
そのようなWebシステムに対する保守や機能拡張などの案件にPerlエンジニアが求められるケースがあります。
Perlと競合するバックエンド開発言語は、PHP、Python、Node.js、Go言語、Kotlin、Scala、Java、etc.になります。今では、動的型付け言語としてはシェア率80%のPHPが、静的型付け言語で新しい技術導入としてはGo言語が選ばれるケースが多いです。
初心者があえて、少ないPerl案件を取りに行く必要はないので、他のトレンド言語をしっかり抑えよう!
近代のWebバックエンド領域の案件獲得にはPHPやGo言語あたりを学ぶのが妥当です。次の記事を参考にしてみてください。
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【種類2】業務系システムの開発案件
Perlは汎用的な言語であるため、Webサイト開発以外でも各企業で使う業務系システムの開発でも使われます。
業種としては金融、医療、不動産、etc. 多岐にわたります。Java、Python、etc.と同様にPerlでもシステム構築できます。
販売管理アプリ、決済・勤怠管理システム、売上レポートのアプリ、etc. 業務系システムを開発する案件は、いつの時代も一定数はあるでしょう。
こちらもWebサービスと同様に、新規開発でPerlが採用されるケースはかなり少なくなっています。
過去に作ったシステムの保守などではPerlが現役で使われるケースは多いため、そのようなシステムに対する保守や機能拡張が必要な際に、Perlエンジニアが選ばれるのです。
新規の業務系システムで活躍したいなら、AIでも応用できるPythonの習得がおすすめです。
Pythonについては次の記事を参考にしてみてください。
フリーランスエンジニアはPythonで稼げるの? Pythonのフリーランス案件の単価は?求人数は? Pythonを使う仕事の種類ってどんなものがある? Python(パイソン)はAI分野を中心に人気が高く、初心者[…]
Perlエンジニアの将来性は?
現在、Perlをメイン言語にしているエンジニアはほぼ居ないと思いますが、Perlだけでご飯を食べていくことは無謀でしょう。
しかし、他にメイン言語を習得しているエンジニアがPerlを活かしながら稼ぐことはまだまだ可能で有益です。
その理由はPerlの歴史は30年以上あり、Perlで開発されてきたシステム資産が膨大に存在するため、メンテナンスなどの案件が少なからず市場にはあるからです。
特に昔からある大企業などには、そういったPerl資産は今でも結構あります。
「終わった言語」と言われながらも、ここ数年は現役の言語としてフリーランス求人も存在し続けるという不思議な状況が続きそうだぞ。
トレンド指向が強いモダンな企業では、新規開発にPerlを採用するケースはほとんどありません。
ただし、組み込み業界やSE関連の案件は安定重視で保守的な考え方が多いため、今もPerlを現役の言語として部分的に採用しているケースも多く見られます。
Perlに依存している人は、早いところ他のトレンド言語の習得をしておきましょう!
まとめ
以上、Perlの特徴とフリーランス案件の単価相場・求人数、職種、将来性について解説してきました。
【結論】
Perlは終わりつつある言語で新しく学ぶ必要性はない。フリーランスがメイン言語とするのは無謀だが、サブ言語として補助的に個人のツール開発などに使うには未だ便利で秀逸な言語。
Perlは世間一般には「終わった言語」と言われている理由は次。
- 可読性・保守性が悪い
- 言語仕様が膨大で学びづらい
- 学習環境用の書籍も古いものが多い
- オブジェクト指向ではない※拡張はあるが使いづらい
- Webプログラミングの領域は他のトレンド言語に地位を奪われている
- エンジニア数も減少しており、コミュニティも弱くなってきている
次のようなPerlのフリーランス案件があり、案件数も単価も底辺です。
- 【種類1】Webサービスの開発案件
- 【種類2】業務システムの開発案件
現在、Perlをメイン言語にしてフリーランスエンジニアをしていくことは無謀でしょう。しかし、他にメイン言語を習得しているエンジニアがPerlを活かしながら稼ぐことはまだまだ可能で、有益です。
Perlの案件は多くのエージェントで扱われています。まずは次のフリーランスエージェントを見比べ、無料エントリーから始めることをおすすめします。
フリーランスエージェントの種類が多すぎて選べない 各エージェントの特徴を数値比較できるようにしてくれ! そもそもフリーランスの案件探しにエージェントは必要? ITエンジニアがエージェント選びを間違えると「単調かつ激[…]
以上、このブログでは、このように「会社員エンジニアがフリーランス独立して自力でお金を稼げるようになるまで」の役立つ情報を発信し続けていきます。
ではまた!