「C言語」でフリーランス独立は難しい?それでも学ぶべき理由

  • C言語やC++言語をメイン言語としてフリーランスで独立できる?
  • 「C言語は難しい」と聞くけど、今から学ぶ価値ある?
  • C言語エンジニアの将来性は?

「C言語は習得が難しいからやめとけ」の声を鵜呑みにし、難しいという理由だけでC言語の習得を諦めることは、エンジニアとしての成長の限界を自ら決めてしまうことになります。

なぜならC言語を学ぶことでコンピュータサイエンスの本質を理解できるからです。C言語を習得すれば、トレンドや目先のタスクに振り回されない真に実力のあるエンジニアへの近道になります。

私は組み込み制御系のエンジニアで21年のキャリアがあり、大手メーカーの管理職として数百人のC言語エンジニアの採用面接もしてきました。その経験から、フリーランスエンジニア業界を徹底分析しています。

この記事では、フリーランスエンジニアにとってのC言語の価値や必要なスキルについて解説します。

この記事を読めば、「自分はC言語を学ぶべきか?」「どう活かしたらよいか?」の判断ができるようになります。

 

【結論】
現時点ではC言語をメイン言語としてフリーランスで働くことは難しい。しかしC言語は、将来性が高く学ぶ価値が非常に高い言語である。

 

「C言語」とは?

「C言語とは?」

本章では、C言語の特徴・学ぶべき理由・人気状況について解説します。

 

C言語の特徴

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C言語は汎用の静的型付けコンパイル型の言語です。ハードウェア制御の記述も可能な低水準言語(アセンブラなど)の特徴も併せ持ちます。

ハードウェア(メモリ・CPU資源,etc.)に制約があったり速度性能が求められたりする場合に、軽量で効率の良いコードが書けるC言語が採用されることが多いです。

 

C言語は1972年にアメリカのAT&T社ベル研究所のDennis.M.Ritchie(デニス・M・リッチー)氏とBrian.W.Kernighan(ブライアン・W・カーニハン)氏によって開発されました。その後もC言語を始祖として、C++、C#、Java、etc. 多くの言語が進化・発展をしてきました。

 

C言語を習得することで「プログラミングの基本から応用まで」に加え、「コンピュータサイエンスの本質」を抑えられることから、初心者が最初に学ぶ言語としておすすめできます。しかし、他の言語と比較すると習得の難易度が高い点は注意が必要です。

 

C言語は、CPU(アセンブラ)制御、メモリ管理、ポインター演算、ビット操作を使う論理演算、etc. のハードウェア制御が得意であり、OSやデバイスドライバ開発に最適です。

以上のことから、C言語は主に、組み込み業界を含む業務系(制御系・汎用機)カテゴリで広く使われる現役バリバリの言語です。このカテゴリにおいて、長年に渡りC言語に置き換わる言語はないし、今後も出てくることは考えづらいでしょう。

 

 C言語の特徴のまとめ

  • 汎用の静的型付けコンパイル型の言語
  • 軽量で実行速度が早い
  • ポインタ演算でメモリ管理ができる
  • CPU特化の命令(アセンブラ)と相性が良い
  • OS/デバイスドライバ開発〜アプリ開発まで汎用的に幅広く使われる
  • 学習の難易度は高め

 

 

【補足】「C++」や「C#」との違い

「C++」とは?
1983年にC言語を拡張し「オブジェクト指向」の概念を取り入れた。C言語と互換性があり混在コードも可能。用途はC言語と同様に組み込み業界などだが、C言語で開発される環境よりもメモリや性能に余裕のある大規模開発向け。

「C#」とは?

マイクロソフト社によって開発されたC言語ライクな言語であり、C言語との互換性はない。WindowsアプリやWebアプリ開発向けの言語。

 

C言語の人気・実績は30年以上もトップクラス!

エンジニア業界全体としてはC言語の人気はめちゃくちゃ高いです。それは、次のプログラミング言語の人気を指標化しているTIOBEのデータを見れば明白です。
» 引用元|TIOBE Indexが発表の「月間プログラム言語人気ランキング」 ※ 上記は2021/8/22にアクセス

 

 TIOBE Indexの「月間プログラム言語人気ランキング」でC言語は第1位2021-8月-TIOBEランキング

 

また次のグラフから、C言語が長年に渡って使われ続けていることがわかります。

 

 TIOBE Indexの「プログラム言語人気ランキング」の推移TIOBEグラフ-202106

 

不屈のライオン

C言語は30年以上にわたり、言語の人気ランキング1〜2位をキープし続けているぞ。

 

 

C言語でフリーランス独立は難しい?それでも学ぶべき理由

C言語でフリーランス独立は難しい?

先述の通り、C言語はエンジニア業界全般では非常に人気も高く、実績もある言語です。しかし、現時点ではC言語をメイン言語としてフリーランスで働くことは難しい。しかしC言語は、将来性が高く学ぶ価値が非常に高い言語ですその理由について、本章で解説します。

 

なぜC言語はフリーランスに不向き?

C言語案件は次のような理由のため、フリーランスのように短期で仕事を受ける人や、個人で起業してビジネスとすることは難しいと言われています。

 

 C言語がフリーランスや個人ビジネスに向かない理由

  • フリーランス求人数が少なく、競争率が高い
  • 高い技術レベルが求められるが、給料は高くない
    (後述の「C言語のフリーランス案件の単価相場」の章を参照)
  • 大規模開発が主流であり、個人単位で仕事を切り出しづらい

 

シンジ

でもフリーランス市場にC言語案件が少ないのは、C言語の需要が少ないからではありません。
むしろ、C言語のエンジニア自体の需要は高いです。

 

C言語の求人案件は主に、業務系と言われる大手メーカーや行政機関からの大規模開発の案件であり、その多くが機密保持などの理由により業務委託会社や派遣会社の対会社間の契約へ流れているため、フリーランス向け案件としては少ないのです。

しかし今後は、これら案件がフリーランス発注へと変わってくると見ています
(後述の「大手メーカーや行政機関からフリーランスへの需要が増える」の賞を参照)

 

 

それでもC言語を学ぶ価値があるのはなぜ?

現時点でフリーランスとしてC言語を主戦場にすることは難しいですが、C言語自体を習得する価値は非常に高い。

それは、C言語を習得することで次のようにコンピュータサイエンスの本質が理解できるため、エンジニアとしての市場価値が高まるからです。

 

 C言語を習得するメリット

  • 小手先の文法だけではなく、プログラミングの本質が理解でき、他の言語への応用が効きやすい
  • ハードウェア(メモリ・処理性能など)やOS連携も必要になり、周辺ハードウェアの基礎知識も身につく
  • 難易度の高いC言語を習得できている(≒ITリテラシーが高い)と採用評価も高くなる

 

またC言語は、業界のスタンダードとして使われ続けており、今後も続く可能性が高い言語です。その理由はこの後の章「C言語は需要が高く、なくならない」で解説します。

 

【補足】 「C言語は難しいからやめとけ」は鵜呑みにするな?

「C言語は難しいからやめとけ」とたまに聞きます。確かにC言語は、簡単な機能を簡単に作ることが難しく、複数のコンパイルエラーやバグを乗り越えてようやく機能が実現できます

つまりC言語は、コンピュータ(CPU)の仕組みそのものを把握する必要があるからこそ難しい。それゆえ、障壁も高くエンジニアとしての価値が高くなるのです。

一方、初心者でも学びやすい動的型付け言語のPython、PHP、Ruby、JavaScript、etc.では、プログラムが動く仕組みを理解できずとも、便利なフレームワークを使い、ソフトウェア部品を組み合わせ、プログラム作法に従えばそれっぽく動きます。

 

シンジ

お金を稼ぐのに大切なのは、実際に自分の手を動かしてサービスやアプリを作れること。
まずは稼ぐために簡単な言語を学習し、その後、C言語に取り組むと良いでしょう。

言語学習の容易さで選ぶのであれば、Python言語がおすすめです。AI分野だけではなくWeb開発、ゲーム開発にも活かせられる汎用性の高い言語だからです。C言語との連携も可能な点もおすすめする理由の一つです。

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C言語エンジニアに必要な7つのスキル・経験

C言語エンジニアに必要な7つのスキル・経験

C言語エンジニアとして企業から高評価を受けるには、次のようなスキルや経験が必要です。全て必須ではありませんが、抑えておくほどエンジニアの価値は高まります。

  • 【必要スキル1】C言語を使いこなすためのプログラミング知識
  • 【必要スキル2】上流工程のスキル・経験
  • 【必要スキル3】プロジェクト管理スキル・経験
  • 【必要スキル4】オブジェクト指向やモデリングに関するスキル
  • 【必要スキル5】ライブラリ・ツールを使いこなすスキル
  • 【必要スキル6】ハードウェアと協調開発できるスキル
  • 【必要スキル7】技術ドキュメントの作成スキル

※ 尚、全てのビジネスパーソンに求められる一般的なヒューマンスキル的な要素は除外しています。

 

当然、スキルは持っているだけでは採用はされません。あなた自身のスキルをスキルシートに記載し、面接でアピールできて始めて採用に至ります。次の記事を参考に対策を進めましょう。

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【必要スキル1】C言語を使いこなすためのプログラミング知識

C言語を使いこなすには、言語仕様の理解だけでは物足りない。組み込み系開発で必須となる以下の例のような命令・処理・記述方法の理解が必要です。

 

 C言語を使いこなすためのプログラミング知識

  • ハードウェアからの割り込みドリブンの非同期制御
  • 異常処理や例外処理
  • メモリ管理やアドレス演算
  • スレッド操作、ソケット通信などのOS間のAPI操作
  • セマフォ(ハードウェアリソースの排他制御)
  • RTOS(リアルタイムOS)
  • 並列処理(マルチコア・マルチCPU・マルチプロセス、etc.)
  • 特定のCPUでの開発スキル

 

最後の項目の「特定のCPUでの開発スキル」として迷ったら、モバイルIoTのデバイスで一番利用されるARMを使った開発経験を抑えておくと良いでしょう。

 

シンジ

逆に、これらの知識を使わないで機能やサービスを実現できるのであれば、C言語よりももっと簡単に記述・実現できる言語(スクリプト系言語)を選択すべきです。

 

【必要スキル2】上流工程のスキル・経験

他言語のエンジニアと同様に、C言語エンジニアも上流工程(要件定義、仕様検討、etc.)ができる人ほど評価が高くなります

 

 上流工程を任せられるエンジニアが評価が高い理由

  • 仕事の抽象度が高い
  • 難易度と重要度が高い
  • より高度な技術力が求められる
  • ヒューマンスキルが求められる

 

上流工程の一般的なリテラシーは、情報処理系の学習である程度は身につくものの、企業から評価されるには何よりも経験が必要です。プログラミングやテスト工程だけで満足することなく、上流工程を経験できる機会は積極的に活かすべきでしょう。

 

【必要スキル3】プロジェクト管理スキル・経験

実務経験が5年以上になるとPL(プロジェクトリーダー)、10年以上にもなればPM(プロジェクトマネージャー)のスキルや経験が求められます

進捗管理、リソース管理に加え、顧客や協業者とのコミュニケーション力、etc.が必要になるでしょう。

C言語を使った大規模開発では関わる人数も多くなるため、プロジェクトをまとめられる人材は他の開発言語を扱うエンジニアより重宝されやすい傾向があります。

 

「で、PL/PMの求人数って少ないよね?」と思うかもしれませんが、採用側は「PL/PMができる≒高度な経験を持つ」と見るので心配ありません。

 

シンジ

PL/PMの求人でなくとも、複数人を束ねられる価値ある経験がある人はエンジニア採用としても優先したくなる!

 

【必要スキル4】オブジェクト指向やモデリングに関するスキル

近年のC言語を使った開発現場では、オブジェクト指向やモデリング技術を使うケースが増えてきています。システムの大規模化に伴い、流用性・拡張性が重視されているためです。

C言語から派生したオブジェクト指向のC++言語も習得しておくと仕事の幅は広がります。

他にオブジェクト指向型プログラミング言語としてJavaやC#などありますが、C言語と互換性はありません。C言語を習得済みであれば、C言語と互換性を持たせているシステムでよく使われるC++を優先すべきでしょう。

他、オブジェクト指向を図示するためのモデリング技術として、まずはUMLを習得しておくと良いでしょう。

 

【必要スキル5】ライブラリ・ツールを使いこなすスキル

C言語には「PythonのDjango」や「RubyのRuby on Rails」ような標準的なフレームワークはありません。基本的には自社製/OSS/標準のライブラリを駆使した開発が主流です。

ライブラリやツール・環境の使いこなし度が高ければ高いほど企業から即戦力として見られやすいです。

 

 C言語エンジニアが使うツール・環境

  • ビルド環境(コンパイラ、リンカ、Make、etc.)
  • 課題管理(Redmine、GitHubのIssues、etc.)
  • 構成管理ツール(Git、Subversion、etc. )
  • CI/CD(Jenkins、GitHubのActions、etc.)
  • 開発プラットフォーム(Linux、Docker、etc.)
  • デバッグ環境(デバッガ、ICE、シミュレーター、エミュレーター、etc.)
  • 単体テスト(CUnit、CppUnit、GoogleTest、etc.)

 

【必要スキル6】ハードウェアと協調開発できるスキル

C言語を使った組み込み開発の現場では、ハードウェア開発と並行して進むことが多い。そのため、ハードウェアのバグや仕様欠陥の可能性を疑いながらハードウェアのエンジニアと協調開発していくことが求められます

 

 ハードウェアエンジニアとの協調開発で求められるスキル

  • ハードウェア設計エンジニアと技術折衝できる
  • ロジックアナライザーやオシロスコープなどの測定器が使える
  • アセンブラ解析ができる(≒CPUに関する知見がある)

 

また時には、C言語コンパイラのバグに遭遇することすらあります。その場合は、社外のCPU開発ベンダーに問い合わせたりすることも必要になるでしょう。

 

【必要スキル7】技術ドキュメントの作成スキル

C言語の開発現場では特にドキュメントを重視する傾向があります。なぜなら、C言語は読解が容易な言語ではないためで「ソースコードを見ればわかる」が通じづらいからです。

また上記のように、ハードウェアのバグに遭遇するケースもあり、第三者に状況をレポートする機会が非常に多いのも特徴です。

 

シンジ

にも関わらず、私のエンジニア歴20年の経験からの主観ですが、C言語エンジニアは「文章力が弱い」と感じます。

 

これは文章テクニックの問題ではなく、意識の問題と分析しています。

大手メーカーなどで行うC言語案件は、情報セキュリティ的な視点から技術課題を良くも悪くも社内で完結することが多い。そのため、「社内だし、なんとなく伝わるだろう」と読み手を無視した「上から目線」の文章になりがちなのでしょう。

 

一方、PythonやGo言語などのトレンド技術を扱うエンジニアは、Qiitaやエンジニアブログなどで読み手を意識した文章を鍛える機会も多いと分析しています。

 

不屈のライオン

この「社内完結か」「社外交流か」の情報交流の差が、顕著に出ているのかもしれないぞ。

 

C言語フリーランス案件の単価相場

C言語フリーランス案件の単価相場

レバテックフリーランス調べでは、C言語フリーランス案件の単価相場は67万円で、他のトレンドな言語と比較すると決して高くはありません。

求人数も95件と少ないため、現時点ではフリーランスが第一言語としてC言語を選択するのは得策ではないでしょう。

しかし先述の通り、C言語エンジニア自体(会社員、フリーランス含む)の需要は、世界的にも膨大であり、C言語を習得する価値は高い。
(「C言語は需要が高く、なくならない」を参照)

 

 C言語求人・案件の月額単価相場  ※2021/5/30時点

レバテック-C言語単価»引用元|レバテックフリーランス - 単価相場を比較

 

先述のとおり、今後はこのC言語の需要はフリーランス業界にも増えてくるし、仮に増えなくても学ぶこと自体はエンジニアの基礎力底上げに非常に効果的です。

 

シンジ

実際に、私の会社では、下請け会社に対してC言語案件を単価相場で80万円〜140万円で発注してます。

 

このような高単価で継続性の高い安定した案件がフリーランスにも流れてくるとすると希望は大きいのではないでしょうか。

 

 プログラム言語別の月額単価相場(単価の高い順) ※2021/4/15時点

言語

平均単価
(万円)

最高単価
(万円)

求人数
()

Kotlin

82

125

553

Scala

82

165

284

Go言語

81

145

692

Ruby

80

145

1586

Swift

79

125

929

R言語

79

95

46

Python

77

145

1474

Perl

73

110

280

JavaScript

72

145

4119

PHP

72

145

3824

C++

71

125

553

Java

69

165

5791

C#

68

115

1608

C言語

67

115

95

SQL

65

145

1828

VB.NET

61

95

600

COBOL

61

95

160

»引用元|レバテックフリーランス - 単価相場を比較

 

C言語を武器にフリーランスエンジニア案件の単価を上げたいという方は次の記事を参考にしてください。

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C言語案件の種類

C言語案件の種類

C言語は汎用的な言語であるため、組み込み・制御系の業界を中心に様々なジャンルで使われています。本章では、フリーランス向けのC言語案件の種類を紹介します。

C言語を使った開発では一般的に、ウォーターフォール型の開発手法を採用することが多い。上流工程で明確な仕様書を作成して、下流工程の検証にて高品質を担保する流れになります。

  • 【種類1】組み込み・制御系の開発案件
  • 【種類2】業務系の開発案件
  • 【種類3】ゲーム開発案件

 

【種類1】組み込み・制御系の開発案件

C言語の主戦場であり、言語の特性が最大限に活かせる領域が組み込み・制御系の開発案件です。モバイル機器、IoT機器、通信機器、産業ロボット、etc. に搭載される、いわゆるファームウェア開発です。

言語の知識だけではなく、ハードウェアやシステムに関する知識も必要となるため、専門性は高くなり難易度は高いと言えます。

PCとインターネットだけで完結するような小規模な開発ではなく、開発用の基板や測定器を使ったりするため、大企業の大規模開発の案件が主になります。

 

不屈のライオン

ハードルも高いが、モノづくりの楽しさを存分に味わえるぞ。

 

シンジ

業界で採用を含めた管理職をしていて、エンジニア不足を肌で感じています。狙い目です!

 

C言語以外にはC++、Javaがよく使われます。

 

【種類2】業務系システムの開発案件

業務系システムとは、通常市販されている汎用アプリとは異なり、特定企業の特定業務に直接関係する機能のみに限定されたシステムのことです。

たとえば、次のようなシステムが該当します。

・経理・人事のシステム
・基幹システム
・在庫管理システム

 

いわゆるシステムエンジニア(SE)が上流の要求分析から設計を行い、プログラマーがコーディングする流れになります。企業によっては、上流から下流のテストや保守までを一環で受け持つケースも多く見られます。

この仕事ではC言語以外に、JavaやC#などが使われることが多いです。

 

【種類3】ゲーム開発案件

一部のゲーム開発の現場でもC/C++言語は採用されています

たとえば、プレイステーション、Xbox、Nintendo Switchなどのプラットフォームで動くコンシューマー向けゲーム開発や、PCゲームの開発、etc.です。

近年では、オンラインゲーム・スマホゲーム・ソーシャルゲーム、etc. ジャンルも多岐にわたり、この領域の案件自体は増えてきているようです。

 

開発環境によってはC#、Java、Swift、PHP、JavaScript、Ruby、etc.も使われることがあります。

 

C言語エンジニアの将来性

C言語エンジニアの将来性

先述の通り、現時点ではC言語を主軸としてフリーランスをしていくことは、そもそもの求人数が少なく難しいのですが、将来的な需要はどんどん上がってくると見ています。

理由は次の2点であり、それぞれ解説します。

  • 【理由1】C言語は需要が高く、なくならない
  • 【理由2】大手メーカーや行政機関からフリーランスへの発注が増える

 

【理由1】C言語は需要が高く、なくならない

トレンドの移り変わりが激しいIT業界において、C言語ほど長期にわたり、広く長く活用され続けている言語は他にありません。

C言語は特に、組み込み分野のスタンダード言語として使われ続けていますが、スマート家電化のようにIoT分野は日々進歩してきているため、組み込み分野のニーズは高まる一方でしょう。

 

 C言語がなくならない理由

  • 現役のC言語エンジニア人口がまだまだ多い
  • 企業やオープンソースには、C言語の技術資産(ライブラリ)が膨大にある
  • 昔から使われ続けていて技術が安定している(言語仕様の欠陥が少ない)
  • 組み込み分野のメモリやCPUが爆発的に進化して安価になるとは考えづらい
  • C言語に置き換わるほどのメモリ効率・処理効率の良い対抗プログラミング言語がない

 

そんな組み込み分野の中でもC言語は、ハードウェア成約(メモリ容量・処理能力)が厳しい開発において使われ、そこはC言語に置き換わる言語はしばらくは現れないでしょう。逆に、ハードウェア成約がゆるく、開発効率を優先度する上位アプリケーション開発ではJavaが使われることが多いです。

Javaについては次の記事を参考にしてください。

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【補足】メモリやCPUの進化があっても尚、C言語は採用され続ける

組み込み分野においては、これからもデバイスの処理効率化・小型化・軽量化は必須命題です。

仮にメモリやCPUの進化スピードが爆発的に上がったとしても、開発のしやすさを優先してC言語以外を採用することで性能を落とすので、その進化を無意味にしてしまいます。結果として、半導体のチップ単価も上がりデバイス単価も上がってしまうのです。

 

【理由2】大手メーカーや行政機関からフリーランスへの発注が増える

C言語の求人は主に、業務系(汎用・制御系)カテゴリとして大手メーカーや行政機関から出ています。物理的に存在する大規模なシステムやデバイスを開発するには、材料・測定器・製造系装置などの莫大な資金力が必要だからです。

今まで、多少はコストが高くても信頼性の高い会社間の準委任契約や派遣契約を優先されてきましたが、今後は次の理由により、C言語を扱う大量の案件がフリーランスにも流れてくると予想できます。

 

 大手メーカーや行政機関からのC言語フリーランスへの発注が増える理由

  • 社員を抱えづらくなっている
    業界の低迷もあり、「必要な時に必要なだけの人員リソースで」の傾向が強くなっている。
  • フリーランスの認知度が高くなっている
    商流が浅く単価も低くなりがちなフリーランス採用の選択肢もでてきている。
  • 情報漏えいのリスクが下がっている
    情報漏えいはシステムでカバーできるようになってきており、個人に対しても仕事を発注しやすくなっている。

 

シンジ

現時点の業界では、信頼性などの様々な理由からフリーランス採用は一般的ではない。しかし、フリーランスへの風向きが変わってきている!

 

 

まとめ

まとめ

以上、フリーランスにとってのC言語の価値や必要スキルについて解説してきました。

【結論】
現時点ではC言語をメイン言語としてフリーランスで働くことは難しい。しかしC言語は、将来性が高く学ぶ価値が非常に高い言語である。

 

次の理由から、C言語を使うフリーランスの需要は増え、将来性は高い分野だと考えます。

  • 【理由1】C言語は需要が高く、なくならない
  • 【理由2】大手メーカーや行政機関からフリーランスへの需要が増える

 

またC言語エンジニアとしてやっていくためには、次の7つのスキルを磨いていく必要があります。

  • 【必要スキル1】C言語を使いこなすためのプログラミング知識
  • 【必要スキル2】上流工程のスキル・経験
  • 【必要スキル3】プロジェクト管理スキル・経験
  • 【必要スキル4】オブジェクト指向やモデリングに関するスキル
  • 【必要スキル5】ライブラリ・ツールを使いこなすスキル
  • 【必要スキル6】ハードウェアと協調開発できるスキル
  • 【必要スキル7】技術ドキュメントの作成スキル

 

C言語フリーランス案件の単価相場は67万円で、他のトレンドな言語と比較すると高くはなく、求人数も少ない。

しかしそれは、C言語案件の主な発注元である大手メーカーや行政機関の取引先が、対アウトソーシング会社との委託契約や派遣契約になっているためです。

そかし今後は、フリーランス発注に対しての抵抗がなくなり、大手メーカーなどが発注している80万円〜140万円幅の継続性の高い案件が市場に出てくるでしょう

 

C言語のフリーランス案件は他言語と比べると少ないですが、それでも多くのエージェントで扱っています。まずは次のフリーランスエージェントを見比べ、無料エントリーから始めることをおすすめします。

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以上、このブログでは、このように「会社員エンジニアがフリーランス独立して自力でお金を稼げるようになるまで」の役立つ情報を発信し続けていきます。

ではまた!

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