「フリーランス vs 派遣」どっちが有利?違いは?エンジニアが進むべき道とは…

  • エンジニアにとってフリーランスと派遣の違いは?
  • 「フリーランス」と「派遣」では結局、どっちを選ぶべき?
  • どういう人が「派遣」に向いている?

「派遣社員は、正社員とフリーランスのデメリットを補完できる」という考えは危険です。仕事はすぐに見つかるけれども「稼げない」「スキルが上がらない」という状況に陥ってしまいます。

私は本業のエンジニア業に加え、副業でブログ・Web開発・不動産など複収入を確立している個人事業主です。エンジニア視点と管理職の採用視点の計20年間の経験値から、フリーランスエンジニア業界を徹底分析します。

この記事では、エンジニアの「フリーランスと派遣の違い」「派遣に向いている人」をまとめます。

この記事を読めば、独立を目指すITエンジニアのあなたが「フリーランスか?派遣か?」を迷うことなく選択できるようになるでしょう。

 

フリーランスと派遣の違いは?

フリーランスと派遣の違いは?

フリーランスと派遣社員の違いを端的に言うと「雇用関係の有無」です。

フリーランスは案件の企業ごとに「業務委託契約」によって働く一方で、派遣社員は派遣会社と「雇用関係」を結んで働きます

フリーランスとは?

フリーランスは、特定の企業に雇用されず、独立して自由に働く人のことです。案件ごとに企業と業務委託契約を締結します。

ITエンジニアに限らず、デザイナー・ライターの他、コンサルタント・記者・編集者・写真家 ...etc 業種は様々です。

これら一般的なフリーランスは、「働いた時間」ではなく「納品した成果物」に対して報酬が支払われますが、エンジニアの場合は「日中の週5フル常駐」のような働き方をすることが多い。

そのためエンジニアの働き方に関しては、正社員や派遣社員とあまり変わらない人が多いのが特徴です。

 

不屈のライオン

フリーランスは実力が収入に反映されやすく、働き方も自分で決められる。良くも悪くも自由という点が特徴だぞ

 

会社員エンジニアからフリーランスエンジニアになるメリット・デメリットを知りたい方は次の記事を参考にしてみて下さい。

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派遣社員とは?

派遣社員とは、派遣会社と雇用契約をし、派遣先企業で働く働き方です。

雇用主はあくまで派遣会社であるため、給与の支払いや労働管理の義務は派遣元にありますが、実際の業務における指揮命令は派遣先の企業になります

また企業から見ると、契約先はフリーランスのような個人ではなく、派遣会社であるため採用されやすいという特徴があります。

派遣社員は、次の2種類に分類できます。

  • 常用型派遣
    正社員として派遣会社に無期雇用され、企業へ派遣される。
    仕事を選べる幅は狭いが、正社員として常に仕事が与えられ給料が出続ける点がメリット。
  • 登録型派遣
    派遣会社からの紹介により仕事先が見つかったときだけ有期雇用の契約が成立する。
    仕事を自分で選べる点がメリット。

 

常用型派遣は「3年を超えても働ける」「ボーナスや昇給もある」など、もはや扱いは「開発サービスをビジネスとした会社の正社員」であり、「正社員」と同等と考えて良いでしょう。

一般的に派遣とは「登録型派遣」の狭義の意味のため、以降の派遣の説明は「登録型派遣」のことを指します。

 

 【補足】「常用型派遣」で働くメリットは無い?

前述の通り「常用型派遣は、派遣業をビジネスモデルとする会社の正社員」であるため、自社開発企業で働く正社員エンジニアと社会的な地位に大差はありません。

しかし、就業先の企業からは「派遣社員」として見られ、与えられる仕事も限定的で成長しづらい。そして、仕事を自分で選べないという点では「登録型派遣」に劣ります
また、自社開発の正社員と比較すると給料は低くなる傾向があります。

そのため「常用型派遣」を選択するメリットは少ないのですが、「あまり苦労せずに仕事を獲得できて一定の給料もある」という精神安定の面でメリットがあり、介護や育児...etc 特別な事情を抱える人にとっては価値のある働き方と言えるでしょう。

 

「フリーランス vs 派遣」徹底比較

「フリーランス vs 派遣」を次の項目で徹底比較しました。

ここでの派遣社員は、仕事が見つかったときだけお金がもらえる「登録型派遣」を想定して説明します。

 

 フリーランスと派遣の違い一覧

フリーランス

派遣

契約のスタイル

業務委託契約。

派遣会社とは雇用契約。
請負先とは派遣契約。

指揮命令

なし。

あり。

社会的地位

個人事業主。

派遣会社の正社員(従業員)。

働き方

フリー。現場常駐のスタイルの場合は会社員と同等。
エンジニア業務だけではなくバックオフィスも必要。

正社員と同じ。
一般的には、平日の日中の週5日出勤で固定。
エンジニア業務だけに注力できる。

休暇制度

休んでもお金がもらえることは無い。
(健康状態が収入に直結する)

正社員と同じ。
有給休暇や特別休暇など。

仕事の選択

案件を選べるが自らの営業が必要。

「常用型派遣」であれば、ほぼ会社の指示に従う。
「登録型派遣」であれば、ある程度は案件を選べる。

収入

委託契約に紐づく報酬制。受注次第で不安定だが上限もない。
一番多い年収層は600~700万円。

派遣会社からの給料で支払われる。
平均年収は500〜600万円だが、一般的には正社員より低くなりがち。

税金の処理

確定申告(自分で納税)。自分の裁量で経費が使える。

源泉徴収制度(給料から天引)。自分の裁量で経費は使えない。

社会保障

全額自己負担。
医療保険:国民健康保険。
年金保険:国民年金。
雇用保険/労災保険/失業保険:無し。

多くを派遣会社が負担。
医療保険:健康保険。
年金保険:国民年金+厚生年金。
雇用保険/労災保険/失業保険:あり。

福利厚生

全額自己負担。

正社員ほどではないが、派遣会社位によっては手厚いフォローがある。

休日の過ごし方

平日・休日に何をするかも全てフリー。常に勉強や仕事をしている人が多い。

一般的に土日祝日だけフリー。

社会的信用

一般的には正社員よりは低い。

派遣会社と雇用関係があるため、正社員と同等。
ただし「登録型派遣」は有期の雇用契約なので信用は少し下がる。

失業リスク

高め。

正社員よりは高め。
フリーランスよりは低め。

 

 【補足】採用側の目線では「派遣契約」の方が「委託契約」よりも有利

採用側企業のマネジメントをしている私の目線では、フリーランスなどの「委託契約」に比べ、「派遣契約」の方が業務の指揮命令ができるという点で非常に扱いやすいです。

 

シンジ

社員と同じような必要な仕事も与えやすいため、結果として、フリーランスよりも派遣のほうが裁量の幅を与えやすく成長しやすいという点があります。

 

 

「フリーランス vs 派遣」はどっちが有利?

『フリーランス vs 派遣』はどっちが有利?

この章では次のような「フリーランス vs 派遣」に関する疑問を解消していきます。

  • フリーランスと派遣は結局、どっちを選ぶべき?
  • エンジニア未経験の場合はどっちが向いている?
  • 派遣とフリーランスの並用がいいんじゃない?
  • フリーランスも派遣もどちらもリスクあって選べない…

 

【結論】経験者は派遣よりフリーランスになることをおすすめ

【結論】
特別な事情(※)がある人以外の多くのエンジニア経験者は、派遣よりフリーランスエンジニアになることをおすすめ

 

派遣よりもフリーランスになることを薦める一番の理由は、リスクは同等にも関わらず高収入になりやすいからです。

「でも、常用型派遣は失業リスクが少ないのでは?」に対しては正しいですが、それならば正社員を選択した方が良いでしょう。

常用型派遣は、働き方の自由度も少なく、言うならば「給料の少ない正社員」です。

 

(※)派遣を選択する特別な事情がある人とは、次のような事情でエンジニア以外の業務(確定申告・仕事探し...etc)ができない人のことです。

  • 家族の都合(介護・育児...etc)
  • 自身の体調の都合

 

シンジ

特別な事情がある人だけは、「安定して仕事があるので、給料が安くても常用型派遣」という選択肢はアリでしょう。

 

「フリーランスとしてバリバリ案件獲得するには相当なスキルが必要なんでしょ…」と心配する必要はありません。実は、スキルはそこまで高くなくてもOKなのです。

スキルが低ければ単価が低くて難易度の低い仕事を得ながら後から徐々にスキルを上げていけば良いからです。

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未経験者であれば派遣からスタートもアリ

エンジニア未経験者であれば、いきなりフリーランスになるよりも派遣からスタートの方が、仕事に辿り着ける可能性が高まります。

エンジニアの未経験者を採用して育ててくれる企業はごく稀ですが、派遣会社には会社としての信頼や実績があったり、同じ派遣会社のベテランと抱合せで仕事をもらえる可能性があるため採用してくれることがあります。

その場合、登録型派遣でもフリーランスで個人の力のみで営業するよりはマシですが、常用型派遣として派遣会社の正社員として働く方が有利です。

未経験者がいきなりフリーランスになることをおすすめしない理由は次です。

  • 【おすすめしない理由1】案件獲得が無理ゲー
  • 【おすすめしない理由2】スキルが上がらない
  • 【おすすめしない理由3】エンジニア業に注力できない
  • 【おすすめしない理由4】エンジニアの基本中の基本が身につかない
  • 【おすすめしない理由5】問題解決にハマる
  • 【おすすめしない理由6】低賃金な状態がずっと続く
  • 【おすすめしない理由7】とにかく経験を求められる

 

実務未経験者がいきなりフリーランスになるリスクについての詳細はこちら。

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未経験エンジニア - タイトル

 

派遣しながらフリーランス案件との併用はやめておけ

派遣しながらフリーランス案件をこなすことは可能ですが、メリットが無いのでおすすめしません

そもそも派遣の仕事は、「日中の週5フルタイム・常駐」が基本であるため、そこにフリーランス案件をするとなると体力的にもしんどいです。

 

不屈のライオン

「併用するとスキルアップできるのでは?」も無謀。それなら、さっさとフリーランスになって両業務を調整しながら複業として計画的に進めたほうが効果的だぞ。

 

迷うなら正社員エンジニアのままでいた方が良い

「いきなりフリーランスも怖いし、かと言って派遣も給料安いしな…」と迷う人は、とりあえず「正社員エンジニア」のままでいた方が良いでしょう。

最終的にはフリーランスで独立したい人が「まずは派遣で慣れていこう…」という考えは危険です。

登録型派遣であれば、フリーランス同様に不安定でありながら報酬は低いですし、常用型派遣であれば、正社員エンジニアの方が給料が良く成長できるからです。

あえて社会的地位が低めの派遣を選択する理由は全くありません。

 

会社員エンジニアがフリーランスになるべきかの判断に迷うのであれば次の記事で参考になります。

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派遣エンジニアが向いている人

派遣エンジニアが向いている人

次のような人が派遣エンジニアに向いています。

  • 【派遣が向いている人1】エンジニア業に注力したい人
  • 【派遣が向いている人2】大企業のプロジェクトに参加したい人
  • 【派遣が向いている人3】職場を頻繁に変えるのがしんどい人

 

【派遣が向いている人1】エンジニア業に注力したい人

派遣エンジニアが向いている人はエンジニア業務だけに注力したい人で、目先の収入よりもスキルアップや自分や家族の時間を優先したい人は特に向いています。

フリーランスであれば、次のようにやらなければならない面倒な仕事が多いのですが、派遣社員であれば、その苦悩から開放されます。

  • 確定申告
  • 保険手続き
  • 契約・請求書処理など
  • 案件探し(交渉)

 

【派遣が向いている人2】大企業のプロジェクトに参画したい人

また、フリーランス個人の直接契約ではなかなか関わることのできない大手メーカーなど大企業のプロジェクトに参画できる点もメリットです。

大手メーカーに参加できるメリットは次。

  • 大企業の文化や環境に触れられる
  • 長期間の契約に繋がりやすい
  • スペシャリストから学べる

 

大企業の文化や環境に触れられる

良くも悪くも大企業の文化に触れられることは、業界を知るためにも良い経験でしょう。大規模な開発のプロセスやビジネス構造...etcは、フリーランスで受注できる小規模な案件だけでは絶対に経験できません。

また大企業は、資金力が豊富であるため先端のツールや機器などを扱える点も魅力でしょう。

 

長期間の契約に繋がりやすい

大企業に限らず、人材育成には時間もお金もかかります。そのため一度、育成した人は開発が終了しても手放したくはないものです。

大企業であれば、開発ネタが途切れることはまずありえないので、契約継続に繋がりやすい特徴があります。また大企業の開発は、規模も大きいため、一つのプロジェクトの期間が長くなりがちです。

 

スペシャリストから学べる

大企業には、特定分野のスペシャリストがいる可能性が高く、そのスペシャリストが構築している文化や開発環境は良質であることが多いです。

学会・規格団体 ...etc コミュニティでは「○○企業の○○さん」という大企業の肩書は強い信用になり、重要で有利なポジションを取りやすいためです。

特定分野のスキルに触れたい人にとっては、スペシャリストの考えに触れる機会がある点は魅力的と言えるでしょう。

 

【派遣が向いている人3】職場を頻繁に変えるのがしんどい人

前述のとおり企業目線では、指揮命令できる派遣契約の方がフリーランスの委託契約より扱いやすく、派遣社員を育成する傾向があるため、長期契約になりやすい傾向があります。

大企業であればその傾向はより顕著ですが、小さな企業でも苦労して育成した人を手放したくは無いものです。

職場や環境が頻繁に変わることは、働く側にはかなりストレスになるため、派遣社員であればそのリスクは大幅に減らすことができます

 

まとめ

まとめ

ITエンジニアの「フリーランスと派遣の違い」「派遣に向いている人」について解説してきました。

フリーランスと派遣社員の一番大きな違いは「雇用関係の有無」です。フリーランスは案件の企業ごとに「業務委託契約」によって働く一方で、派遣社員は派遣会社と「雇用関係」を結んで働きます。

 

【結論】
特別な事情(※)がある人以外の多くのエンジニア経験者は、派遣よりフリーランスエンジニアになることをおすすめ

 

登録型派遣のエンジニアは、失業リスク(仕事が無くなるリスク)はフリーランスと同じにも関わらず、マージン率も高く給料が低くなるので、登録型派遣を選択する理由がないためです。

家族や健康上の理由...etc の特別な事情がある人は、常用型派遣という選択肢はありでしょう。

また次のような人も、派遣社員という働き方が向いているのかもしれません。

  • 【派遣が向いている人1】エンジニア業に注力したい人
  • 【派遣が向いている人2】大企業のプロジェクトに参加したい人
  • 【派遣が向いている人3】職場を頻繁に変えるのがしんどい人

 

働き方のどこに価値を置くかは人それぞれ。「独立を目指す」「とにかく高収入」「安心・安定」...etc。

どうしても迷うなら、正社員で居続けることをおすすめします。人生における大失敗は回避することができます。

 

フリーランスエンジニアとして独立・開業する際のリスクに備えるための準備については、次の記事を参考にしてください。

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以上、このブログでは、このように「会社員エンジニアがフリーランス独立して自力でお金を稼げるようになるまで」の役立つ情報を発信し続けていきます。

ではまた!

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