- フリーランスは「やめとけ」と「おすすめ」の意見を聞くけど、どっちが正しい?
- 何で「フリーランスエンジニアはやめとけ!」と言われるの?
- フリーランスエンジニアに向いている人の特徴は?
「フリーランスはやめとけ!」の会社員派の意見に押されて挑戦できなくなることは、人によっては人生の機会損失になってしまいます。
エンジニアのキャリアパスを大別すると、エンジニアを極める道と管理職になる道の2つ。エンジニアとして様々なトレンド技術を良い意味で転々と習得し、自身の可能性を広げたい人は、フリーランスになることをおすすめします。
そう言う私は、会社員の管理職のキャリアパスを進んでおり、フリーランスではありません。しかし、数千人以上のエンジニアと触れ合い、「この人はフリーランスになれば会社に搾取されないのにな...」と思う経験があるからこそ、フリーランス肯定派の意見を語れると思っています。
この記事では、「フリーランスはやめとけ!」と言われる理由に対する反論の解説をします。
この記事を読めば、反フリーランス派の過剰な解釈による誤解が無くなり、正しい知識でフリーランス独立に向けた準備ができるようになります。
「フリーランスはやめとけ!」の会社員派の意見は全無視でOK!
【結論】
「フリーランスはやめとけ!」とという会社員の推奨派のポジショントークは、全て無視してOK。
なぜなら、会社員推奨派とフリーランス推奨派では目指すキャリアが全く異なり、感じるリスクの捉え方も全く異なるためです。
「会社員が感じるフリーランスのリスク」をフリーランスは「チャンス」と捉え、「安定などの会社員のメリット」をフリーランスは「不自由」と捉えます。
次のように目指すキャリアの違いがあり、賛成・反対の意見が分かれるのは当然なのです。
賛成派のキャリア志向の人(会社員の推奨派)
- 現状キープ志向で、楽をしたい人。
- 管理職・リーダー志向の人。
- 生涯エンジニア志向で、会社の看板を利用しながら特定の技術領域を極める研究者肌の人。
反対派のキャリア志向の人(フリーランスの推奨派)
- 苦労してでも、とにかくお金を稼ぎたい人。
- 時間をコントロールして自分のビジネスへと展開したい人。
- 生涯エンジニア志向で、ひとつの技術に執着せずに最新のトレンド技術をどんどん経験したい人。
たとえば会社員の賛成派が、「フリーランスは収入が不安定」と否定したところで、フリーランス推奨派は、「そのリスクを承知で自己裁量で大きく稼ぎたい」と思うでしょう。
時間的・収入的に制限のある会社員がむしろ不自由でデメリットに感じるから、フリーランスになりたいのです。
【補足】「会社員が嫌だからフリーランスに」の落とし穴
「フリーランスは自由で自分のペースで生活できる」とイメージしている人も多いでしょうが実際は、フリーランスエンジニアの生活そのものは会社員とあまり変わらない事が多いです。
特に駆け出しのフリーランスエンジニアは客先常駐で働く機会が多いからです。
フリーランスが会社員と大きく違う点は、仕事や環境を選べ「合わない」と思ったらすぐにそれを変えられることです。
結局、フリーランスのデメリットを上回るメリットがあるか否か?
「フリーランスやめとけ」と思うかどうかは、フリーランスになるデメリットを上回るメリットがあるかによって決まります。
当然、メリットの価値がデメリットを上回ればフリーランスになった方が良いということになるでしょう。
フリーランスエンジニアになるメリット
- 【メリット1】収入がアップする
- 【メリット2】仕事(内容・働き方)を選べる
- 【メリット3】無駄な社内イベントから開放される
- 【メリット4】経費や青色申告控除の恩恵がある
- 【メリット5】税務・営業...etc 多方面の知識が身につく
- 【メリット6】(意欲があれば)スキルアップできる
フリーランスエンジニアになるデメリット
- 【デメリット1】仕事を自分で取らないといけない
- 【デメリット2】収入が不安定
- 【デメリット3】仕事とプライベートの境界がなくなりがち
- 【デメリット4】税務処理などの事務手続きが必要
- 【デメリット5】孤独を感じる
- 【デメリット6】すぐに仕事環境がリセットされる
- 【デメリット7】福利厚生や社会保障制度が無い
- 【デメリット8】社会的な信用が下がる
- 【デメリット9】(意欲がなければ)スキルアップできる機会が少ない
フリーランス推奨派の目線では、このデメリットすらあまりデメリットに感じないことが多いため(次章で解説)、メリットが際立つことになるのです。
また会社員にとっては、フリーランスのデメリットの裏返しがメリットで、メリットの裏返しがデメリットになるので、あなたの脳内で置き換えてみて、自分は会社員派かフリーランス派かを見極めてみると良いでしょう。
たとえば会社員は、仕事も与えられ、収入も安定していますが、仕事の選択の幅は少なく、収入を上げづらい。
メリットやデメリットは表裏一体であり、見る人が違えば解釈も異なるです。
会社員エンジニアとフリーランスエンジニアの違いについては、次の記事でまとめています。
フリーランスエンジニアとして自立できるか不安だな… フリーランスと会社員は何が違う?メリット・デメリットを教えて! 未経験でもフリーランスエンジニアになれるかな…? 「フリーランスは自由で高単価でパラダイス!」と安[…]
「フリーランスはやめとけ」と言われる9つの理由に対する反論
前章で挙げたフリーランスエンジニアの9つのデメリットが「フリーランスはやめとけ!」と言われる理由そのものですが、フリーランス推奨派にとっては、あまりデメリットに感じないことが多いのです。
よって本章では、フリーランス推奨派の目線で、フリーランスになる9つのデメリット(「フリーランスやめとけ」の理由)の反論を述べます。
※ この反論には私の主観が入る点はご了承ください。
- 【理由1】仕事を自分で取らないといけない
- 【理由2】収入が不安定
- 【理由3】仕事とプライベートの境界がなくなりがち
- 【理由4】税務処理などの事務手続きが必要
- 【理由5】孤独を感じる
- 【理由6】すぐに仕事環境がリセットされる
- 【理由7】福利厚生や社会保障制度が無い
- 【理由8】社会的な信用が下がる
- 【理由9】(意欲がなければ)スキルアップできる機会が少ない
【理由1】仕事を自分で取らないといけない
フリーランスは、自分で仕事を獲得しないといけない言われますが、過剰に心配しすぎです。
基本的に売り手市場のこの業界において、ある程度のスキルがあれば営業力がなくてもフリーランスエージェントを介して仕事を安定的にとれます。
案件獲得の王道はエージェント経由ですが、それ以外にも方法はあります。主な案件獲得方法は以下。
案件の獲得方法
- 【獲得方法1】人脈から探す(再現度:低)
- 【獲得方法2】オウンドメディアから依頼を受ける(再現度:低)
- 【獲得方法3】クラウドソーシングから探す(再現度:高)
- 【獲得方法4】エージェントから探す(再現度:高)
- 【獲得方法5】クライアントへ直営業する(再現度:中)
案件獲得の方法については、次の記事で詳しく解説しています。
フリーランスエンジニアが案件獲得をする方法は? 収入ゼロの期間は絶対に無くしたい! 自分には案件紹介してくれるような知人は居ないしな… フリーランスエンジニアにとって案件探しの失敗は死活問題。だからこそ全ての案件獲[…]
どうしても「契約間のブランクが心配だ」という人は、『80%の給与保障制度』がある次のエージェントを使ってみると良いでしょう。
»関連記事|Midworks(ミッドワークス)の口コミ・評判
逆の見方をすれば、エージェントのような業界のプロから見ても「ブランクが空くことはめったに無い」という解釈で良いのではないでしょうか。
どのフリーランスエージェントを使うか迷ったら、次の記事でエージェント比較をしているので参考にしてください。
フリーランスエージェントの種類が多すぎて選べない 各エージェントの特徴を数値比較できるようにしてくれ! そもそもフリーランスの案件探しにエージェントは必要? ITエンジニアがエージェント選びを間違えると「単調かつ激[…]
【理由2】収入が不安定
フリーランスは給料ではなく、案件ごとの委託契約となるため収入が不安定になりがちです。
病気や怪我・家族の都合などで仕事ができない期間は収入がゼロになります。その他、景気変動の影響を受けたり、新型コロナウィルスの影響を受けたりする可能性は大いにあります。
まずはこの収入不安定のリスクがあることは一旦、受け入れましょう。
しかし、スキルを獲得していくことを前提にフリーランス独立するのであれば、このリスクはさほど問題にはなりません。
スキルがあれば不安定リスクが軽減される理由
- 景気の影響で仕事がなくなるのは、末端の低レベルなエンジニアからである
- 単価が多少下がっても、スキルのある人の仕事が無くなることは考えづらい
- リモートワークを駆使した働き方など、自由に選ぶことができる
在宅ワークすらできない事態に陥った場合には、「【理由7】福利厚生や社会保障制度が無い」で解説する福利厚生サービスなどの活用で最悪の事態はカバーできます。
無理して会社員で頑張ってブラック労働や人間関係で身も心もボロボロ…
そもそも... 「会社員≒安定」なのか? もう一度、考えよう!
【理由3】仕事とプライベートの境界がなくなりがち
多くの会社員は固定給で定時勤務ですが、フリーランスはやっただけのお金が入るため、時間に関係なく仕事をしてしまいがちです。
しかしこれは、逆の言い方をすれば、時間もお金もコントロールできるフリーランスのメリットなので、フリーランスをやめる理由にはなりません。
【理由4】税務処理などの事務手続きが必要
確定申告をはじめ、フリーランスは様々な事務処理などのバックオフィスを自分で行いますが、以下のポジティブな解釈ができれば、全く問題ないでしょう。
事務処理をすることに対する考え方のアップデート
- むしろ逆に、税務、営業、etc. 多方面の知識が身につく
- 経費や青色申告控除が使えて税金が抑えられるための行動だからありがたい
- どうしても嫌なら、費用を払って税理士などの専門家にアウトソースできる
自分でやればスキルになり、しんどければお金を払って専門家に任せられる。フリーランスを諦める理由になりません。
【理由5】孤独を感じる
フリーランスの魅力の一つである自由に働ける点が逆に、孤独を感じるデメリットにも繋がりやすい。
仕事中の物理的な孤独であれば、コワーキングスペースに行ったり、シェアハウスに入ったりすれば問題ありません。
精神的な孤独を指すのであれば、それは会社員でも同様です。コミュニケーション意欲があれば、協業者との関係は構築できるので「フリーランスだから孤独」とはならないでしょう。
一番問題なのは、フリーランスは第三者からの客観的な意見やアドバイスが少なくなる点です。それは会社員と違い、育成してくれる上司や先輩がいないからです。
この点は、積極的に勉強会やコミュニティに参加するなどして、同じように悩むフリーランスと横の繋がりを持つようにしましょう。
上司や同僚がいないとモチベーション維持できないのだとしたら...、それは会社員だとしても問題だぞ
【補足】 社会からの孤独感を脱するには?
フリーランスの仕事は「依頼元のお手伝いの域は出ない」ことは事実。ゆえに「社会的な存在意義」が薄れてしまう人も中にはいます。
「もっと大きな仕事がしたい」「社会貢献したい」の願望に対する選べる道は次の3択。
- 会社員エンジニアに戻る
- 自分のビジネスを持って独立する
- 覚悟を決めて、このままフリーランスエンジニアの道を極める
しかし、会社員に戻っても会社の歯車になるだけの可能性が高いし、自分のビジネスを持っても社会に影響を与えるほどの規模の成果を出すことは難しい。
フリーランスは自分の力だけでお金を稼ぎ、消費している。それそのもので「社会貢献できている」と考え方をアップデートすることが必要です。
【理由6】すぐに仕事環境がリセットされる
フリーランスエンジニアの案件は、だいたい3ヶ月〜1年単位で終了します。つまり、せっかく慣れた人間関係・開発環境・職場もリセットされてしまいます。
この頻繁に訪れる変化をメリット(チャンス)と捉えれば、問題にはなりません。
逆に入社以来、ずっと同じ部署で同じ文化にいる会社員は、スペシャリストになる人がいる一方で、考え方も凝り固まって市場価値のない人になる方が圧倒的に多いのが実情です。
それでもすぐに仕事が変わってしまうのはしんどい人は、長期契約できそうな案件を狙って案件を探すようにしましょう。
そもそも...、「変化を受け入れられない人」はフリーランスに向いていない!
【理由7】福利厚生や社会保障制度が無い
フリーランスになれば、多くの会社が制度化している福利厚生はなくなります。また、社会保障制度もすべて自己負担となります。
次の福利厚生サービスに登録したり、福利厚生サービスと提携しているエージェントを活用すれば、働けなくなるリスクに備えられるのでリスクは軽減できます。
フリーランスは仕事の事故や納品トラブルの賠償リスクをどうしている? フリーランスはケガや病気で稼げなくなったら人生終了…!? ITフリーランスが使えるおすすめの福利厚生サービスを教えて! フリーのITエンジニアが順[…]
フリーランスは福利厚生や社会保障制度がないことを考慮すると、会社員時代の年収約1.32倍以上を稼ぐ必要があります。次の記事を参考にしてください。
「フリーランスは会社員の年収2倍が必要」と聞くけど本当? フリーランスエンジニアになったら最低いくら稼ぐべき? 会社員の頃よりも年収を上げる方法は? フリーランスを目指すエンジニアの中には「会社員の年収2倍が必要」[…]
【理由8】社会的な信用が下がる
一般的にフリーランスの社会的信用度は会社員に比べると低く、「賃貸物件を借りる」「クレジットカードを作る」「借入をする」...etc のケースにおいて審査が通りにくくなります。
しかしこの点も、過剰な心配は不要と考えます。とは言え、念のため会社員のうちにクレジットカード発行、賃貸契約、住宅ローンの借入、etc.を済ませておくことをおすすめします。
「過剰な心配は不要」と考える理由は、一昔前と違い、今はフリーランス人口も増えてフリーランスであること自体が認知されているからです。
『フリーランス実態調査 2021』によると、広義のフリーランス人口は24%となっており、今後も成長の余地があると見られています。この状況下の中で、社会的信用が下がるからという理由でフリーランスにならないのは間違いです。
「フリーランス≒変わった働き方」と見られていた時代の名残はあるものの、決して珍しい働き方では無い。過度に心配する必要は無いぞ。
【理由9】(意欲がなければ)スキルアップできる機会が少ない
フリーランスエンジニアは、仕事の幅が広がらずにスキルアップに繋がりづらいと言われます。それは会社員と違い、成長の機会を与えてくれる依頼元はほぼ居ないためです。
しかしこれは、学習意欲が少なく、学ぶことに対して受け身の人の話です。
学習意欲があるフリーランスであれば、むしろ仕事を選べるので、学習結果を実践するチャンスが多く、学びが定着しやすい良い環境と言えるでしょう。
「でも経験ある案件しか案件獲得できないでしょ?」という懸念がありますが問題ありません。
それは採用側の立場からすると、学習意欲があってマルチなスキルを持っている人は求人スキルにピンポイントにはまらなくても一緒に仕事をしたいと思うからです。
とは言え、無実績で企業からの信頼を獲得することはできないので、ポートフォリオ(作品集)を作成していく努力が必要です。
何もしなくても仕事がある会社員では無用のポートフォリオ作成が、フリーランスエンジニアを成長させるのです。
エンジニア採用でポートフォリオって必要? ポートフォリオは何をどう作ったら良い!? ポートフォリオは最低限、どのレベルまで求められる? エンジニアが転職やフリーランス案件の面接で採用を獲得するには、ポートフォリオ作[…]
フリーランスエンジニアに向いている人の特徴はたった1つ
フリーランスエンジニアに向いている人のたったひとつの特徴は「スキルアップに意欲的な人」です。
個人学習でスキルを磨きつつ、少し上のレベルや違うジャンルの案件を獲得して、できることの幅を広げていくことがフリーランスとして生き抜く唯一の術なのです。
「フリーランスはスキル・リソースの切り売りだ」と言われることがありますが、それは独学で成長することを諦めている人の話です。
お金稼ぎに執着しすぎて、できる仕事の範囲のことだけをやっていては、消耗戦になってしまうのです。
結局、「スキルアップに意欲的な人」であれば、次のフリーランスに向いていない人の特徴は全て否定できるでしょう。
フリーランスに向いていない人の特徴(一般論)
- 楽をしたくて独立したい人
- ただお金が欲しいだけの人
- 自分で考えて行動できない人
- 現状維持を求める人(変化を嫌う人)
- 自分の可能性を信じられない人
- 自己管理ができない人
エンジニアとしてのスキルアップそのものを楽しめるフリーランスが最強だぞ
まとめ|フリーランスを最終ゴールにしてはいけない
以上、「フリーランスはやめとけ」と言われる理由とそれに対する反論を説明しました。
【結論】
「フリーランスはやめとけ!」とという会社員の推奨派のポジショントークは、全て無視してOK。
しかし、フリーランスを人生の最終ゴールにしてはいけません。なぜなら、年齢による仕事減、体力の限界が必ず来るからです。
それがいつかは人によりますが、どこかで必ずフリーランスを退場せざるを得ないときは来ます。その時に備えて、常に出口戦略を考えておきましょう。
フリーランスの末路が闇にならなかった事例
- 【事例1】フリーランスエンジニア経験を自分のビジネスへ展開させた人
- 【事例2】技術力一本でエンジニア業を完走した人
- 【事例3】稼げるうちに荒稼ぎして資産運用でFIREした人
- 【事例4】ITスキルを活かして、個人経営を手助けしている人
「フリーランスを続けた末路ってどうなる?」「将来が不安...」という方は次の記事を参考にしてください。上記の事例の詳細を記載しています。
なぜ「フリーランスエンジニアの末路は闇」と言われるの? フリーランスエンジニアの末路がハッピーになった人のことを教えて! 結局、フリーランスになるのは諦めて会社員で居続ける方が安泰? 「フリーランスエンジニアの末路[…]
以上、このブログでは、このように「会社員エンジニアがフリーランス独立して自力でお金を稼げるようになるまで」の役立つ情報を発信し続けていきます。
ではまた!