- エージェントはなぜ案件を非公開にするの?
- エンジニアから見て、非公開案件ってぶっちゃけ良いの?悪いの?
- 非公開案件にどうやったら辿り着けるの?
「サイト掲載されている求人情報だけで十分」とサイト登録せずに、公開案件だけを見て案件探しをしているフリーランスエンジニアは非常に危険です。
なぜなら、非公開案件が求人の大部分を占めているため、あなたの案件探しの効率を半減させてしまうからです。
現在の私は、社員数の倍の委託・派遣を抱える大手会社に属しているエンジニア管理職です。数十回のエンジニア求人を公開・非公開の両方で行ってきた経験があるため、案件採用のコツをお話します。
そこでこの記事では、「非公開にする理由」「非公開案件を狙うメリット」「非公開案件の獲得方法」について解説します。
この記事を読めば、非公開案件の獲得の攻略ができ、今よりもグッと効率的な案件探しができるようになるでしょう。
非公開案件の攻略が、今後のフリーランスエンジニア生活を左右すると言っても過言はありません!
フリーランスエージェントの「非公開案件」とは?
非公開案件とは、フリーランスエージェントの求人サイトに掲載されていない案件のこと指します。
「非公開って、ブラック企業のイメージ」と思われる方も心配いりません。非公開案件を扱う組織は「大手メーカー」や「行政機関」など、秘匿性の高いプロジェクトを扱う組織が多いため、むしろ社会的にも信頼できる案件の方が多いです。
そのような秘匿性の高いプロジェクトは、新規性や独創性も高く魅力的で、キャリア・スキルアップが可能な仕事や、高単価・好条件である可能性が高いのが特徴です。
逆に公開案件は、「時間をかけても大勢から厳選したい案件」や「いつまでも応募が来ない人気の無い案件」のような、フリーランスにとって過酷な条件の場合が多い。
また一般的に、エージェント業界全体では公開案件の数より非公開案件の方が数倍あると言われています。
公開案件と非公開案件の比較
|
公開案件 |
非公開案件 |
知る方法 |
エージェントサイトの閲覧をする。 |
エージェントから紹介される。 |
知る条件 |
登録不要で誰でも閲覧可能。 |
登録してエージェントとコンタクトをとる。 |
案件数 |
数百件〜1万件。(エージェントによる) |
公開案件の数倍を保有しているところが多い。(エージェントによる) |
案件獲得の成功率 |
倍率が高いため、成功率も低め。 |
倍率が低いため、紹介を受けた時点で成功率は高め。 |
案件の性質 |
良質な案件から人気の無い案件まで幅広いが、汎用的なありふれた仕事である場合が多い。 |
秘匿性が高いプロジェクトが多いため、仕事の質も高く好条件なレアな案件である場合が多い。 |
メリット |
・登録しなくても閲覧可能。 |
・競争相手が少ない。 |
デメリット |
・競争相手が多く、案件獲得が難しい。 |
無し。 |
非公開案件であっても、良質な案件かどうかは自分で見極めは必要。
ただ、エージェントからの紹介というフィルタが通っている点は安心材料にはなるぞ。
求人案件を非公開にする4つの理由
フリーランスエージェントが求人案件を非公開にする理由は、主に次の4つがあります。
- 【理由1】秘匿性が高いため
- 【理由2】応募の殺到を回避して採用コストを下げたい
- 【理由3】特定のエージェントにだけ限定募集されている
- 【理由4】募集期間が短い
【理由1】秘匿性が高いため
非公開案件になる理由の一つとして、案件自体の秘匿性が高く、募集元の企業の要望に沿って非公開になっていることが挙げられます。
案件の秘匿性が高い理由は、次のように様々です。
- 国家機密のプロジェクトである
- 競合に新規事業を知られたくない
- サービスのローンチ前でユーザーに知られたくない
秘匿性が高いプロジェクトを扱うのは、行政機関(官公庁)や大手メーカー・有名企業に多いことも特徴的です。
このような「大きな組織で働くこと」自体も非公開案件を狙うメリットの一つです。具体的なメリットについては後述します(「【メリット2】大手・有名企業や行政機関のプロジェクトに参画できる」参照)。
【理由2】応募の殺到を回避して採用コストを下げたい
人気の案件は公開と同時に応募が殺到するため、採用コストを下げたい企業の要望を受け、エージェントが案件を非公開にするケースもあります。
採用者である現場マネジメントや技術責任者は、人手が足りないほど忙しいので、「ある程度は応募者がフィルタリングされた状態でスキルシートの審査や面接を行いたい」と考えています。
エージェント側で厳選したエンジニアのみを紹介することになるため、結果的に採用コストを下げることができます。
洗練されたスキルシートの書き方や面接の仕方については、次の記事が参考になります。
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【理由3】特定のエージェントにだけ限定募集されている
特定のエージェントにだけ限定募集されている案件は、エージェントの裁量によって戦略的に非公開にされるケースがあります。
企業と継続的に良好な関係を維持したいエージェントは、手広く募集するのではなく、非公開にしてお勧めできる人材を戦略的にピンポイントでマッチングしていく方法をとります。
企業側としても「優先的に優秀な人材を回してもらえる」という安心感が生まれるため、更に特定のエージェントへ案件依頼が集まるという構造です。
【理由4】募集期間が短い
「すぐにサービスをローンチしたい」「すぐに欠員を補充したい」のような採用を急ぐケースでは結果的に、公開募集するまでもなく採用が決まるケースがあります。
採用を急ぐケースでは、企業側にも採用の焦りもあるため、安く買い叩かれるようなことが少なく、狙い目です。
採用を急ぐ案件は、結果的に高単価・好条件で契約できる可能性があるので、タイムリーに非公開案件に触れる機会を持っていくこと(≒常にエージェントと繋がっておくこと)が重要です。
非公開案件を狙う4つのメリット(デメリット無し)
フリーランスエンジニアにとって非公開案件を狙うメリットは次の4つです。非公開案件を狙うこと自体にデメリットは無いため、ためらわずに狙っていきましょう。
- 【メリット1】競争相手が少ない
- 【メリット2】大手・有名企業や行政機関のプロジェクトに参画できる
- 【メリット3】案件数が圧倒的に多い
- 【メリット4】技術責任者やリーダーなどの上位クラス案件がある
【メリット1】競争相手が少ない
非公開案件は紹介を受けた時点で、公開案件に比べて競争相手が極端に少なくなるのがメリットです。
一方で公開案件は、多くのエンジニアの目に止まるため、魅力的な案件には募集が殺到して競争率が高くなってしまいます。
採用確率が低いスキルシートでの応募や面接を繰り返すことは体力的にも精神的にもしんどい。
公開案件だけでの案件探しはしんどいぞ。
【メリット2】大手・有名企業や行政機関のプロジェクトに参画できる
前述の通り非公開案件は、秘匿性の高い大手・有名企業や行政機関のプロジェクトの案件である場合が多く、それらに関われるチャンスがあります。
秘匿性の高いプロジェクトは、新規性や独創性も高く魅力的。そして、キャリア・スキルアップが可能で、高単価・好条件である場合も多いです。
大手・有名企業や行政機関のプロジェクトに関われるメリット
- 契約などのトラブルが少ない
- 働き方がホワイト
- 実績として周知されやすい
- 先端テクノロジーに触れられる(※)
- 洗練された開発プロセスを経験できる(※)
- 高単価であることが多い
- 開発設備が充実している
- リモート環境なども充実している
※ 大企業は小規模のベンチャー企業に比べ、レガシーな技術や環境を伝統的に使い続ける場合も多いが、新規性の高いプロジェクトであればその限りではない。
【メリット3】案件数が圧倒的に多い
非公開案件は公開案件に比べて圧倒的に案件数が多いため、自分のスキルや希望条件にピンポイントで合うお宝案件に出会える可能性が高まります。
エージェントによって保有案件数は様々ですが、非公開案件は公開案件よも10倍近くは多いとされています。
「逆に案件が多すぎて何をどう選んで良いかわからない」という人も問題ありません。
エンジニア(あなた)と企業の両方のことを知っているエージェントを介すことで、より的確なマッチングを進めてくれます。
非公開案件を狙うことが結果的に、多くの選択肢からより自分にマッチした案件を見つけることに繋がる!
【メリット4】技術責任者やリーダーなどの上位クラス案件がある
技術責任者・プロジェクトリーダー ...etc、人やモノのリソースを扱う上位役職クラスの仕事は非公開案件として募集されることが多いです。
非公開になる理由は、ごく限られたスキルや経験を持つ人材しか対応できない仕事なので、エージェントの目に留まる人のみの応募に限定したいためです。
非公開な上位クラスの仕事が獲得できる点で、熟練者にとってもエージェントは活用する意義がある。
非公開案件の獲得方法
非公開案件は、フリーランスエージェントとのやり取り中で紹介されます。それ以外の方法は無いと思った方が良いです。
また、よほどの裏情報でも無い限り、普通の人には「どのエージェントが良い非公開案件を抱えているか」はわかりません。
しかし、次のたった2つのシンプルな手順で、非公開案件に出会える確率を上げることができます。
- 【手順1】複数のフリーランスエージェントのサイトへ登録する
- 【手順2】エージェントと定期的にコンタクトをとる
【手順1】複数のフリーランスエージェントのサイトへ登録する
まず、複数のフリーランスエージェントのサイトへ登録しましょう。
公開案件であれば、サイト登録せずとも掲載情報を閲覧できますが、非公開案件を見つけたい場合は、サイト登録をしないと情報源であるエージェントとやりとりする機会すらありません。
サイト登録をして、あなたのスキルやプロフィールを登録しておくだけでも、エージェントサイドからあなたに合った案件を紹介してくれる場合もあります。
登録もせずにサイトから求人を閲覧するだけでは、一生、非公開案件に触れることはないぞ。
安心して非公開案件を探せるエージェントを、次の記事でまとめています。
フリーランスエージェントの種類が多すぎて選べない 各エージェントの特徴を数値比較できるようにしてくれ! そもそもフリーランスの案件探しにエージェントは必要? ITエンジニアがエージェント選びを間違えると「単調かつ激[…]
【手順2】エージェントと定期的にコンタクトをとる
非公開案件に出会える確率を高めるために、エージェントと定期的にコンタクトをとりましょう。
エージェントの立場では、「お宝の非公開案件は今後も自社サービスを利用してくれそうなエンジニアへ勧めたい」と思っているので、エージェントと親密になって「機会があればもっと良い案件を狙いたい」と存在をしっかりアピールしておくことが重要なのです。
ひとつの案件に没頭すると次の案件のことを忘れがちですが、少なくとも契約終了のタイミング(多くの場合は3ヶ月周期)では担当エージェントと面談やメールでのコミュニケーションをしておくべきです。
「自分からコミュニケーションを取るのは苦手だな…」、そんな人は次のサポート力に定評があるエージェントへ登録すれば、エージェント側からも面談の打診をしてくれるよ。
サポート力に定評があるエージェントはこちら
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「非公開案件が豊富ですよ」詐欺に注意!
「非公開案件が豊富ですよ!」というフレーズでいろんなエージェントが宣伝していますが、注意が必要です。
注意が必要な理由は、エンジニアの立場では非公開案件の保有の実体を確認できないので、いくらでもエージェント側で嘘がつけてしまうためです。
規模の小さい怪しいエージェントの言葉を信じていたら「いつまでもしょぼい案件しか出てこない!」という事態に陥ってしまいます。
全て嘘ではないにせよ、たとえば、募集終了している案件もカウントしたり、案件数を多く盛っていたりする可能性はあります。
あまりに極端な嘘であれば、口コミや評判で叩かれるので疑い過ぎも禁物ですが、次のような回避策をしていくことも必要です。
「非公開案件が豊富ですよ」詐欺の回避方法
- 公開案件がそれなりに多い中規模以上のエージェントを使う
- 中の人(エージェント)と会話して見極める
- 口コミ・評判を検索してみる
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まとめ
以上、「非公開にする理由」「非公開案件を狙うメリット」「非公開案件の獲得方法」について解説してきました。
フリーランスエージェントが求人案件を非公開にする理由は…
- 【理由1】秘匿性が高いため
- 【理由2】応募の殺到を回避して採用コストを下げたい
- 【理由3】特定のエージェントにだけ限定募集されている
- 【理由4】募集期間が短い
非公開案件を狙うメリットは…
- 【メリット1】競争相手が少ない
- 【メリット2】大手・有名企業や行政機関のプロジェクトに参画できる
- 【メリット3】案件数が圧倒的に多い
- 【メリット4】技術責任者やリーダーなどの上位クラス案件がある
非公開案件の獲得方法は…
- 【手順1】複数のフリーランスエージェントのサイトへ登録する
- 【手順2】エージェントと定期的にコンタクトをとる
大切なことなので繰り返しますが、非公開案件の攻略が今後のフリーランス生活を決めます。
つまり、非公開案件を紹介してもらえるように、エージェントとの関係性を構築しつつ、自身の実績を積むことが大切なのです。
新規性や独創性も高く、キャリア・スキルアップが可能で、高単価・好条件な傾向がある「非公開案件」を積極的に獲得していきましょう!
以上、このブログでは、このように「会社員エンジニアがフリーランス独立して自力でお金を稼げるようになるまで」の役立つ情報を発信し続けていきます。
ではまた!