「書く技術・伝える技術」の要点まとめ【ブログの書き方(ライティング)】

私は、ブログを書く目的の一つに「ライティングスキル(文章力)を向上したい」ということがあります。しかし、文章力は経験だけでは身につきません。そのためは、まずは正しい知識として学び、そして経験を経てスキルにしていこうと考えました。その知識を得るために選んだ書籍がこちらです。

文章力が無い私が、素人でもすぐに実践できる再現性のあるメソッドとして要点をまとめています。

(私を含む)文章力のない人が、経験と感覚で書いていた文章に対して「何を基準に書いたら良いか」を知識として得ることができます

この記事では、読者のこのような悩みを解決していきます。

  • ビジネスマンが上司にビジネス文書を介して内容を伝えたい
  • ブロガーがブログを介して読者に記事の内容を伝えたい

共通点は、読み手は忙しいので「長く伝わりづらい文章など見る暇はない!≒早く情報をくれ!」と思っているということです。長く伝わりづらい文章になる理由は、書き手が自身の行ったプロセスを説明したいためです。なぜなら、書き手が最も時間を使ったのは、結論を得るためのプロセスだからです。

本記事が、「徹底的に読み手を意識した伝わる文章」を書けるきっかけになれば幸いです。

※ 便宜上、ブログ記事をビジネス文書の一部として扱います。

文章力の重要性と文章を書くために必要なこと(基礎編)

書く技術2

文章力とは、メッセージの全体を構造化して読み手にメッセージのポイントを効率的に伝えられる力です。簡単なようで、日本の社会にはできていないがとても多いのが実態のようです。基礎知識としてINPUTしつつ、実践を繰り返しながら私と一緒に学んでいきましょう。

「伝わる文章を書くこと」の重要性

ビジネス文章を書く力が無いことは、人を動かすことができないので致命的になります。全て自己責任で進める起業や副業をする方にとっては、そのダメージはより大きくなります。

ビジネス文書は、事業戦略、報告、ルール、メール、仕様書、手順書、商品説明、ブログ記事(日記や物語などの起承転結があるもの以外)...etc これら全てを対象としています。

私が大手メーカーで中間管理職をしている実体験から、成果を出している優秀な人ほど文章力が高く、逆に成果が出せない人ほど低くなる傾向があると感じています。文章力が低いということは、 読んだ人数x時間分のコスト と それをフィードバックする上司と書き手の時間分のコストだけ、生産性を下げることになります。これは非常に大きな問題です。

「文章を書く」ために必要な3つのこと

こちらが文章を書く上での基本の「き」になります。書籍では、これらのうち【伝達性】にフォーカスをして解説しています。しかし、この【伝達性】における技術は、結果的に実践によって定着し、【論理性】【作業性】にも寄与するものだと思っています。

  • 伝達性(内容が効率よく伝わる)
  • 論理性(内容が論理的に構成されている)
  • 作業性(文章を早く書ける)

読み手のメンタルモデルへの配慮

本書では上記の【伝達性】として、「読み手のメンタルモデルへ配慮する」を重要としています。この考えをベースに、理論編、実践編へと繋がる流れなので肝に銘じておきましょう。「読み手のメンタルモデルへ配慮する」とは、次は「こういうことを書くのだろうな」のような心の準備だとか、「ここが重要だな(または、ここは不要だな)」のような情報の取捨選択の判断など、読み手の思考を先読みするということです。

【伝達性】を考慮した読み手のメンタルモデルへの配慮に必要なこと

  • 読み手に読ませない文章を書く!
  • 一読で理解できる文章を書く!
  • 相手に記憶させる!

「読ませない」を実現する書く技術の7法則(理論編)

文字たくさん

「読み手に読ませない文章を書く」を狙った文章化の7つの法則をそれぞれ解説します。ほん記事では、読み手のメンタルモデルに注力したメリットを中心に扱います。

  • 【法則1】文章の冒頭には重要な情報をまとめて書く
  • 【法則2】詳細はパラグラフを使って書く
  • 【法則3】パラグラフの冒頭には要約文を書く
  • 【法則4】文頭にはすでに述べた情報を書く
  • 【法則5】並列する情報は同じ構成、同じ表現で書く
  • 【法則6】ひとつの文には、ひとつのポイントだけを書く
  • 【法則7】無駄なく、簡潔に書く

【法則1】文章の冒頭には重要な情報をまとめて書く

文章の冒頭には、重要な情報をまとめた総論を簡潔に30秒で読み切れる内容を書きます。以下のコツ、注意点を意識して書きましょう。プレゼン資料(パワーポイントなど)では、エグゼクティブサマリをプレゼン冒頭に1枚のページに作成しましょう。よくある間違いとしては、「これから○○を説明します」、「○○の承認をお願いします」という書き方です。読み手は内容(例で言う「○○」)の全容が知りたいのです。忙しい上司が「複数のプレゼンページを熟読する必要があるか否かを冒頭の1ページで判断したい」というメンタルモデルを考慮してください。あなたに与えられた時間は少ない!

  • 各論と説明順を一致させる
  • 具体的に書く
  • 簡潔に書く
  • 結論と内容を一致させる
  • パッと見て概要がつかめるなら総論は書かない

【法則2】詳細はパラグラフを使って書く

冒頭の総論の後は、構成をパラグラフで伝えます。読み手は飛ばし読みができ、全体像を把握できます。

  • ひとつのトピックをひとつのパラグラフに分類する
  • パラグラフ間を縦と横で接続する(※)
  • パラグラフ内を、詳しく具体的に展開する

(※)の補足:パラグラフ間の縦つながりと横並びでは、説明表現が異なります。縦につながるとは、「問題→原因」の因果関係のようにつながっていることです。横に並ぶとは、「問題1 − 問題2 ...」のように論理的なつながりが無いということです。縦つながりは以下のような表現で書きましょう。横つながりは箇条書きでよいです。

パラグラフの縦つながりの例) 
【現状】現在、○○にはAという技術が使われている。
【問題】AにはBという問題がある。
【原因】Bの原因はCにある。
【対策】そこで、Cに対してDという対策をとった。
【効果】DによってEという効果が得られた。
「パラグラフ」は、論理的な文章の構成単位で、「段落」は、単なる区切りです。

【法則3】パラグラフの冒頭には要約文を書く

【法則1】の総論を書く場合と同じ要領でパラグラフの冒頭にも要約文を書きます。この要約文だけを拾い読みしても意味が通るように配慮しましょう。そして、ひとつのトピックだけを、その文だけで理解できるように具体的に、かつ簡潔に書きしましょう。

【法則4】文頭にはすでに述べた情報を書く

文の前半で既知の情報を引き継ぎ、文の後半で道の情報を付加することで情報の流れが良くなり、一読で理解できるようになります。多少はくどくなってもOKです。既知から未知の流れは、要約文だけを読んでも成立するように意識します。

文の前半(前述の内容の引き継ぎ) + 文の後半(未知の情報)
この流れを意識すると代表的な3つの型が見えてきます。
◆ 統一型
A は B
A は C
A は D
◆ 引継型
A は B
B は C
C は D
◆ 展開型
ZはA,B,C
A は ○○
B は ○○
C は ○○

【法則5】並列する情報は同じ構成、同じ表現で書く

並列した情報は同じ構成、同じ表現を守ります。このことを文章や階層、パラグラフで守ることをパラレリズムと呼びます。読み手が読み進めるべきかを的確に判断できるので、必要な情報だけを読めるメリットがあります。以下、注意点です。

  • 重要順、時間順に並べる
  • 情報間で抽象度を揃える
  • 重要性に大きな差があるならパラレリズムを崩してもOK

【法則6】ひとつの文には、ひとつのポイントだけを書く

ひとつの文では、ひとつのポイントだけを述べます。原則、「〜て」や「〜り」「〜し」「〜が、」などの接続助詞を使って並べてはいけません。結果として、ポイントが強調される文章になるので、記憶に残ります。また、文章が短くなることによって、一読で理解できるようになることもメリットです。ちなみに直前の二つの文は★を実践してみましたがどうでしょう?

  • 接続関係が弱いなら、2つの文は接続しない
  • 接続関係が強いなら、
    • 短い文は接続詞を活用してつなげる (「〜ので」「〜よって」)★
    • 長い文は接続関係を追加したうえで切る(「しかし」「つまり」など)

上記の注意点の内容をすぐに実践するのは難しいようであれば、単純に「文は50文字以下」というところを基準にして、書くようにしたら良いと思います。

【法則7】無駄なく、簡潔に書く

不要な情報と冗長な表現をカットして簡潔に表現します。同じ意味なら、短い表現を選びます。また、二重否定は、肯定文に直せます。

  • 読み手のニーズと前提知識を意識して情報を取捨選択する
  • 類語の繰り返しを避ける
  • 文末の冗長表現に気をつける

まとめ

鉛筆

文章が【法則1】〜【法則3】によって正しく書けたかどうかは、各論のパラグラフの先頭文だけで、意味が通るかをチェックすることでわかります。

今回は【伝達性】【論理性】【効率性】のうち【伝達性】に着眼して解説しました。ですが、この内容を実践していくことで【論理性】【効率性】も自然と向上していくものと感じています。また【論理性】については、文章力だけでなく、表現力や説明力とも通じるとても大切な要素のため、また別の機会に深堀りしたい記事にしたいと思います。

さいごに、日本では、学校教育から本の読み方や文章の書き方を教わる機会が少ないです(少なくとも私は無い)。それは教育者自身が論理的な文章を書けないためだと筆者は言っています。

私には複数の部下と二人の子供がいるので、自分が文章を書けないからと言って逃避せずにこの「文章の書き方」を伝えていきます。これからの私は、人に「魚を与える」のではなく「釣り方」と「釣りの楽しさ」を伝えられるようなフィードバックができることを目指します。

まだまだ7法則のとおりに実践できていない点も多いと思いますが、まだスタート地点ということで温かい目で見ていただければ幸いです。今後のブログ投稿を通じた実践でPDCAサイクルを回していきます!(過去の投稿全てを見直したい...

では、また!

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