名著『イシューからはじめよ』を要約【デキる人の仕事術】

名著『イシューからはじめよ』を10分で理解できるよう要約します。
問題解決・ロジカルシンキングの新しいバイブルとしている人が多く、ビジネスパーソンだけでなく、人生においても活用できる汎用的な内容です。周囲のデキる人は、全てこの考え方を持っていると思える内容なので、ぜひ取り組んで行きたいところです。

【概要】イシューを見極めて、仮説を立てる。あとは逆算のアクションでそのイシューを解く。

本書を読んでもらいたい人

  • 圧倒的に生産性の高い人になりたい
  • ロジカルシンキングや問題解決のフレームワークを使いこなせなかった

まずはイシューを見極める

イシューを見極める

イシューとは、いわゆる「問題のシンプルな本質(≒もっとも重要な問題)」のことですとにかくイシューを見極め、イシューの質を上げることが最優先です。本書ではイシュードリブンと呼んでいます。

とにかくイシューに集中!正しい努力を正しい方向に向ける

解く価値のある問題は、全体の1%だけだそうです。人生も有限なので、一番大切にしていることだけに集中すべきです。

生産性の高い人は仕事の速度が早いわけではなく、「イシューの見極め」ができているだけです。つまり、問題を選択し、余計なことはせずに集中しているから仕事が速いのです。一番ダメなことは、目先の問題に飛びついてすぐにググりはじめたり、周囲から情報を集めだすことです。

犬の道を行ってはいけない

イシューからはじめよ1

バリューのある仕事とは、イシュー度(自分の置かれた局面でこの問題に答えを出す必要性の高さ)解の質(そのイシューに対してどこまで明確に答えを出せているのかの度合い)の両方が高いものを指します。

イシュー度の低い仕事は、いくら解の質が高くても顧客から見たときの価値は限りなく少ないです。イシュー度が低いまま解の質を頑張って上げてもバリューの高い仕事に到達はでずに疲弊するだけです。著者は「犬の道」と言って避けるべきだと主張しています。

まずはイシュー度を上げて、次に、解の質を上げる黄金ロードを行きましょう!

良いイシューの3つの条件

本質な選択肢である

抽象度が高めの表現ですが、「もし解けたとしたら、ものすごく成果の上がるイシューである」と解釈します。イシュー自身に答えが出ることによって、具体的な次のステップが見えてきます。その後の行動に大きく影響する分岐点となることが、良いイシューの前提となります。

深い仮説がある

常識を覆すような洞察があるか?、新しい構造で世の中を説明できるか?のようなちょっとチャレンジ要素がある仮説です。チャレンジする価値のある仮説というのは、それだけ解の質が高いことから来ているのだと考えます。

答えが出せる

チャレンジ要素の高いイシューに対して、答えがなければ意味がありません。自分を取り巻く環境や成約の中で、確実に解けるものである必要があります。

イシューを発見するための情報収集

イシューを考えるための材料をどのように仕入れるかの3つのコツです。身近な情報のみで漏れなくざっくりと素早く調べることがポイントです。

  • 【コツ1】一次情報に触れる(誰のフィルターも通っていない情報)
  • 【コツ2】基本情報をスキャンする(世の中の常識・基本的なことをMECEで素早くまとめる)
  • 【コツ3】集めすぎない、知りすぎないこと(意図的にざっくり)

 

解の質を高める

解の質を高める

イシューを見極めた後は、ストーリー(アウトライン)を組み立てます。荒くても良いので素早く仮説を作り、何度も仮説立案・仮説検証を繰り返して、より良い仮説へと成長させていきます

仮説を立てるメリットは3つ

  • 仕事が早くなる(決断力)
  • 仮説立案・仮説検証の繰り返しで仕事の質が高くなる(先見力)
  • 全体像を把握する力がUPする(大局を見る力)

仮説を立てて言語化する(仮説立案)

仮説を立てることで、取り組むべき問題が絞り込めるので、次にやるべきことが明確になります。繰り返しになりますが、仮説無しで目先の問題に飛びついてしっかり調べ始めてはいけません。その理由は、調べても切りが無いですし、調べた結果でいくらでも解釈ができてしまうので、本質的な問題解決には至らないことが多いためです。

仮説思考:少ない情報で全体の構成を考え、必要な情報だけを追加で調べる考え方

イシューが見え、仮説を立てたら、次にそれを言語化します。イシューと仮説は紙や電子ファイルに言葉として表現することを徹底します。言語化しないと、自分だけでなくチームの中でも誤解が生まれ、それが結果として大きなズレやムダを生みます。

イシュー分析で解の質を検証する(仮説検証)

イシューの構造を明確にし、イシューを構成するサブイシューに沿った分析のイメージ作りを行う工程です。イシューの全体像とその優先度が見えやすくなります。

1.イシューを分解する

この時点ではまだ、イシューは大きな問いであるため「本質的な意味のある固まり」をMECEでサブイシューに分解します。狙うべき市場ニーズ(Where)と事業モデル(What & How)の型にはめて分析を進めると良いでしょう。

2.ストーリーラインを組み立てる

最終的に何を言いたいのかを常に問いながら、サブイシューを以下のストーリーに加工していきます。このステップにも「Whyの並び立て」、「空・雨・傘」のような型にはめた進め方があり興味深いが本記事では解説は省略します。実践する際に、書籍を参考いただけると良いです。

  1. 必要な問題意識・前提となる知識の共有
  2. カギとなるイシュー、サブイシューの明確化
  3. それぞれのサブイシューについての検討結果
  4. それらを統合した意味合いの整理

3.絵コンテ

これまで言語化してきた分析イメージをデザインしていきます。「どんな分析結果が必要か」の視点で、「大胆に思い切って描く」心構えが大切です。

  • 軸を整理する(比較・構成比・変化量で表現できるようにすること)
  • イメージの具体化(数字を入れていくこと)
  • 方法の明示化(どうやってデータを取るかを明確にすること)

さいごに

RESULT

この記事では、「イシューを見極める」、「解の質を上げる(仮説立案・仮説検証)」を中心に解説しました。本書には他に、アウトプットドリブン、メッセージドリブンといった「スピード感を持ってまとめること」についても詳細に解説してありますので、実践しながら参照することをおすすめします。

スピードを上げるには、「本質的でシンプル」であるべきです。本質のみに集中し、他は捨てまくってシンプルにしましょう。

例としては、資料中のグラフやチャートは、1チャートメッセージにする(「業界の動向」というグラフタイトルではなく、伝えたいメッセージをタイトルにする)などがあります。それは文章のタイトルでも同じこと。タイトルだけで読者が何か得るものでなければダメです。

実際に私も本業や副業、家庭でも実践を試みていますが、体感として難しいです。どうしても目先のイシュー度の低いところの解の質を上げようとしてしまいます。ただ繰り返すことで仮説+検証のスピードや質が上がってきていますので、この本は何度も読み返す前提で保有しておくと良いのではないでしょうか。

では!

イシューからはじめよ
最新情報の確認ができます