「会議 長っ...!」そう苦しんでいるあなたのために、長い会議・無駄な会議を最適化する9つの提言を持ってきました!
実際に私の本業の組織でも導入し、質を落とさずに会議の総時間を4割削減できた実績と再現性のある提言です。なんとなく会議だけのために人を集めてきた今までのやり方が変わり、あなたの価値ある時間を増やすことができるはずです。
こちらの提言をご自身の会社や自分のルールとして、そのまま採用いただいても充分に活用できるほど汎用性の高い内容になっているので、ぜひお試しください。
会議の基本的な考え方
会議の本来の目的
会議の本来の目的は、「未来に向けて建設的な意思決定をすること」です。もう少し掘り下げると以下3つに分類できます。
- 行動を決める
- 合意をとる
- 伝達する
必要な会議は2種類だけ
究極的には、本当に会議が必要なケースはこの2つだけと言えます。しかも、これらは工夫の余地をめちゃくちゃ秘めています。これ以外は、まずは会議を開催しないという選択ができるかの視点を持ちましょう。
- 複雑な議論が必要な会議
- 他組織から情報を引き出すための会議(ヒヤリング)
また、会議の種類は以下に分類ができます。
- 教える系
- 勉強会、説明会
- 決める系
- 承認や確認が必要な会議、レビュー会議
- 整理する系
- ブレスト、反省会、課題バラシ、問題解決、技術検討、リソース・スケジュール検討
- 共有する系
- 情報共有、進捗会議、報告会、ヒヤリング
「進捗会議」の議題の中に「ブレスト」をしている場合のように、複数の分類に属する種類もありうるでしょう。
会議にはコストがかかる
会議にも「時間と人のリソースを使う(≒投資をしている)」というコスト意識を持ち、投資に見合うOUTPUTがあるかの目線で考えましょう。
(ある会社の例: 1回の会議で60,500円 [8人 x 1H]のコストがかかる)
あなたが主催するその会議は、60,500円のリターンを生む価値がありますか?
会議開催には合理的、非合理的な判断を伴う
会議の開催可否はコスト目線の合理的な目線で判断します。会議設定の前には、その必要性をまずは1分考えましましょう。
合理的な視点で開催を判断する例です。この場合は遠慮なく会議を開催しましょう。
- 主催者の会議準備コストが会議コストよりも大きい
- 主催者が会議準備に時間をかけていると逆に組織の不利益になってしまう
- 会議でないと得られない明確なOUTPUTがある
(例外的に)合理的ではない視点で開催を判断する例もあります。この場合は「人の成長」にフォーカスすることが多いので、誰の何を解決するためなのかを明確にした上で、会議を開催しましょう。
- コミュニケーション活性化をしたい
- メンバの意識をテーマに向けさせる潤滑油としたい
- 議論そのものに意味がある ≒ 議論を介して人を成長させたい
「会議体が当たり前」から脱却をしよう
「資料だけでは伝わらない、説明も必要だ」という考え方は、「資料だけで伝わる文章を書く」というマインドに変えていきます。この「資料だけで伝わる文章を書く」という考えは、会議を開催する場合であっても、会議を効率的に進める上で必須です。
会議の提言(準備編5つ)
【準備編1】基本は30分以内にする
社内・社外含めて会議の基本設定を30分にします。私の会社では、慣習的に会議は1時間が基本となっていました。そして、その1時間をフルに使うケースがほとんどでした。人は追い込まれると高いパフォーマンスをだすので30分以内を目指すことが良いと考えます。
【準備編2】人数を絞る
参加者それぞれに役割を決めることで、参加者数を絞り、質の良い会議を目指します。最大でも8人くらいが妥当でしょう。参加者の持つ役割とは、議論に必要な有識者としての役割のことです。その「聞いておいたほうが良いかも」くらいの理由で参加依頼を出しているのであれば、結論のみを後でレポートするかたちでできないかを考えてみましょう。
【準備編3】主催者が議題を考え倒す
これが一番、重要です。会議は、主催者が考え抜いた提案に対して、参加者がそのGAPを埋めて「結論を出す」「行動を決める」場です。ここがゼロベースからの議論開始の場合は、前提条件や論点を揃えるまでに時間がかかりすぎます。主催者は最低でも以下の2点を提示して、主催者なりの価値観で会議の主導権を持って進めてください。
- 主催者の仮説(自分なりの明確な答え)を持ってくる
- 反論に対する自分なりの回答を用意
ポイントは、「調べまくって時間をかけすぎない」ことです。「仮説を立てる」ということに関しては、過去記事の「【原則1】まず仮説を立てる」を参照してください。
仕事が遅いと悩んでいる方、もしくは自分以外の部下や同僚がそれに該当する方、仕事が早くなる3原則(コツ)さえ抑えれば、誰でも仕事が早くなります。 当然、訓練は必要ですが、今、この3原則を自身に取り入れるか否かで今後の成果は格段に変わりま[…]
【準備編4】意思決定は会議体でなくてもOK
議論の余地の少ない案件であれば、意思決定は必ずしも会議体である必要はありません。もしくは、会議体で説明しなくても、短時間で一読で理解できるビジネス文書があれば、稟議の方が良い場合もあります。ただしこの場合は、3分程度で理解できるまとめスライド1枚を用意しておく必要があるでしょう。
【準備編5】社外の人と直接会う会議を再考する
来客・訪問に関わらず、社外の人との会議は、まずはオンライン会議を検討しましょう。どちらの場合も、わざわざ会うために移動した経緯を考えると、会議時間を短くすることに抵抗があるからです。
ただし、謝罪やお願いのような感情が入るケースや、初めて顔を合わせる必要があるケースは、状況を見て慎重に決めましょう。
会議の提言(会議編4つ)
【会議編1】会議にタイマーを持ち込む
今どきの会議は、紙媒体ではなく、パワーポイントやKeynoteなどプレゼン用のスライドを画面表示しながら進行するケースがほとんどです。時計表示アプリで時間を画面の端っこに出すなどして参加者への意識を時間に向けさせることも有効です。
【会議編2】資料をそのまま読み上げない
プレゼン内容をそのまま読み上げる行為はやめましょう。会議の冒頭に、3分程度の時間を確保して、参加者がそれぞれ黙読で読むことをおすすめします。逆に言うと、3分で議題の全容がわかるサマリ資料が必要です。
また、事前に資料をメールで参加者へ配布しておいて、読み込めればベストではあります。しかし実際には、主催者が参加者のことをコントロールできないケースが多いので実現は難しいです。
【会議編3】最初に会議の終わり方を決める
会議の冒頭で、会議の終了条件を決めておきます。最初に議事録に書いておくことも有効です。終了条件までの段取りをタイムスケジュールにして区切って進められると尚良いです。
【会議編4】決まったことを確認する
会議の最後で、 会議で決まったことと 「誰が、いつまでに、何をするのか」のアクションアイテムを議事録などの文章で確認します。繰り返しになりますが、会議の目的のひとつは「行動を決めること」です。これを決めないと、後々に作業の抜けや手戻りが発生します。できればそのままタスク管理ツールに入力してしまったほうが良いです。
まとめ
本日挙げた提言のひとつひとつは斬新さも無く単調で、誰もが実践できるものでしょう。しかし、多くの会社が出来ていないのではないでしょうか。
やはり、会社の文化を変えるということはとても大変です。
実際に私も、私の部下だけで構成されている30人程度の組織へ展開しましたが、それでもかなりの反発を受けましたし、浸透するまでに時間を要しました。それはやはり、会議を減らすことを目的にしてしまい、仕事の質を落としてしまっていたからだと反省しています。あくまで無駄を削減するためだということを忘れてはいけません。
当然の儀式のように会議開催するのではなく、会議設定する前に「本当に必要な会議か」をまず考えることが重要です。全てをいきなり適用するよりは、心構えとして周囲に少しずつ浸透させて行きましょう!
みなさんの周辺の会議を最適化し、価値ある時間が確保できることを願っています。
では!