大量メールからの見逃しを殲滅!【4つのメール術】

大切なメールを見逃したことにより、会社や個人に大きな損失を与えてしまう場合があります。それよりも「相手からの信頼を失う」という点で自分自身へのダメージが大きいです。メールをした側は、メールを受けた側が思う以上に不快に思っていることを理解しましょう。

【結論】 4つのメール術で、組織内のメール処理効率が劇的に向上します。

4つのメール術

1.【個人】メール仕分けのスタンスを見直す
2.【個人】受信トレイのみで即座に処理する
3.【組織】パッと見でメール意図がわかるようにする
4.【組織】複数回のQ&Aが発生する内容はチャットで済ます

個人でなく組織全体でメール処理改善に取り組むべき

メールよりも今はビジネスチャットだという意見もありますが、まだまだビジネス現場ではメールがコミュニケーションの主軸であるのが実情です。にもかかわらず、「メールは個人の仕事術の問題」と割り切って、対策を放置しているビジネス現場が多いと感じます。

しかし、メール処理術やルールを組織として取り組んだ方が、意思決定が早まるので、組織全体としての生産性は上がるはずです。実際に、私も一日500件以上のメールを受信していますが、この方法を組織へ適用したことで日常的に発生していたメールの見逃しがほぼ無くなりました。

あまり、組織としてメール処理の改善に取り組めていない背景としては、「役割が増えれば大量のメールが来るものだ(見逃しも織り込み済み)」と割り切っているのではないかと考えます。業務の生産性を落とす非常に悪しき習慣です。

メールの問題点あるある9選

  • メールの見落としが多い
  • 返信が遅い
  • 仕分けフォルダが複雑になりすぎ
  • 返信が必要なメールかどうかがすぐに判断できない
  • 過度なCCメール
  • すでに解決しているメールに対して更に返信して混乱
  • メールのやりとりが終わらない
  • そもそもメールが多すぎる
  • メーラーが遅い(クラウド化の弊害)

4つのメール術で見逃し殲滅!

メール2

2つの【個人】対応と2つの【組織】対応の計4つのメール術を使い、メール処理を効率化していきましょう。

1.【個人】メール仕分けのスタンスを見直す

メーラーの自動仕分けが複雑になりすぎていませんか?
私は逆に、フォルダへ自動仕分けしたことで、その仕分け先のフォルダのメールを見逃してしまうなど本末転倒な事態が起きていました。また仕分けルールが複雑化してバグってしまうという問題もあります。そこで、自動仕分けのスタンスを次のように見直すことを提案します。

  • 「組織、機能、カテゴリ」ではなく「メール処理のステータス」で分ける
  • 自動仕分けは必要最小限にする

次の仕分け案はご参考程度に。基本は「受信トレイ」の中だけで処理して、仕分けをするメールは意志を持って読まないと決めるということです。

【メール仕分けの新提案】

役割
(フォルダ名)
優先度 仕分け方 補足
すぐ読む 返信や監視などタイムリーな処理が必要なメール。
※ 「受信トレイ」のこと
時間があれば読む 自動 例えば、「1日1回だけ流し読みする」と決めたメール。
例) Ccに自分のアドレスが入っているメール。
例) 関係の低い部署の勤怠系メール。
読まない! 自動 明確な意志を持って「読まない」と決めたメール。
例) タイトルすら見るまでもないメール。
処理済 手動 受信トレイ内のメール処理が終わったら手動でこのフォルダへ移動する。

注意点: Toが自分宛のアドレスは仕分け対象外(受信トレイ行き)にする

2.【個人】受信トレイのみで即座に処理する

受信トレイ内を「すぐ読む」フォルダと位置づけて、基本的にはそのメールを見てすぐに返信を行います。原則としては「受信トレイは常に空っぽ」を目指すようにしましょう。余計な情報を排除して判断を鈍らせないためです。

メール返信したら「処理済」フォルダへ移動

返信したメールは「処理済み」フォルダへ手動で移動するようにしましょう。

即答できない案件はフラグ付けしてその日のうちに返信する

即答できないメールの場合は、メーラーのフラグ機能を利用して保留状態にします。極力、そのフラグがついた案件は、その日のうちに返答して受信トレイを空っぽにしましょう。その日のうち処理しきれない案件は、「○○日までに回答する」旨をその日のうちにメール返信してから、TODO管理対象(※)にして「処理済」フォルダへ移動しちゃいましょう。
※ 次で解説

自身を含むメーリングリスト宛の案件で、自分以外が回答することを期待しているケースでは、誰かの回答を確認できたら「処理済」フォルダへ移動します。

メーラーのフラグではTODO管理しない

その日のうちに回答しきれないメールの場合は、フラグを使ってメールを残すのでな無く、別途、TODO管理することをおすすめします。こういったケースは日常的に起きるので、受信トレイがフラグでいっぱいになり、結局、処理しきれなくなるためです。

TODO管理ツールを使用するのに抵抗があるのであれば、「処理済」フォルダ内に「TODO」フォルダなどを作って管理しても良いです

3.【組織】パッと見でメール意図がわかるようにする

タイトルだけで受信者が何をするかわかるようにする

タイトルの先頭に、【共有】【連絡】【報告】【依頼】【相談】【お礼】【アンケート】【開催案内】などをつけ、ひと目で受信者が何をしたら良いかがわかるようにします。

状況に応じて【重要】や【要返信】を更につけ加えても良いです。

タイトルに「〜について」は、内容が抽象的すぎるので、使用を避け、具体的な内容を表す表現を心がけましょう。

メール内容を一読でわかるようにする

メール受信者(読み手)に対して、「読ませない、記憶に残す、一読でわからせる」を意識した文章を書くようにします。過去の記事でビジネス文章の書き方を解説しているので参照ください。

他、以下の例などを取り入れて「パッと見でわかる文章」を心がけましょう。

  • PREP(結論、理由、例、結論)で語る
  • 返信してほしい箇所やアクションアイテムに★マークをつける
  • 長文禁止(一文は60文字以内、10文以内でそれ以上は資料にする) ...etc
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書く技術・伝える技術

4.【組織】複数回のQ&Aが発生する内容はチャットで済ます

よく、Ccに自分が入った状態で、恐ろしいまでの引用でのQ&Aが繰り返された挙げ句、「最終的にこうなりました」と情報を渡される場合があります。引用文もはや改行が変なところに入りまくって読みづらくなっています。こういったケースでは早い段階のメール交換で、ビジネスチャットを使ったコミュニケーションへと切替えてください。

関係者には、結論だけをメールなりで伝えるようにします。

さいごに

問い合せ

以上、私自身が切に感じているメール非効率問題について言及しました。以前に解説した「長い会議・無駄な会議を効率化【9つの提言】」と同様に、会社の文化や個人の趣向に一石を投じるような提案には反対勢力も伴うので結構苦労します。しかし、周囲も巻き込んで組織的に改善して初めて大きな効果となるので、心折れずに提案を勧めましょう!

不毛なメール処理から開放されて、あなたの有益な時間が増えることを願っています。

では!

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