仕事が遅いと悩んでいる方、もしくは自分以外の部下や同僚がそれに該当する方、仕事が早くなる3原則(コツ)さえ抑えれば、誰でも仕事が早くなります。
当然、訓練は必要ですが、今、この3原則を自身に取り入れるか否かで今後の成果は格段に変わります。ぜひ習慣化していきましょう!
本記事でいう仕事とは、「抽象度の高い裁量・創意工夫の余地がある答えが決まっていない仕事」のことです。答えもやることも明確な「作業タスク」は対象外です。
抽象度の高い仕事の例
- 多種の開発タイプで共通モジュールを抽出して開発コストを下げる
- 課内のプログラミング技術を底上げする
- 社内の商品PRをする計画を立てる
仕事が早くなる3原則
【原則1】まず仮説を立てる
仮説が持てていない仕事が遅い人は、以下のような思考ですぐに手を動かして片っ端から調べ始めてしまう傾向があります。
- できるだけ多くの情報を集めれば答えがあるはずだ
- 失敗が許されない
まずは間違っても良いので勇気を出して自分の頭だけで仮説を立ててください。仮説の立案のポイントは、自分の中ですでに保有している情報を主に活用し、「しっかり調べすぎない」ことで、最初の数時間で一気に結論まで作り切ります。しっかり調べない理由は、調べても切りが無いですし、調べた結果でいくらでも解釈ができてしまうので、本質的な問題解決には至らないことが多いためです。
【仮説あり】 仮説を出す(仮説立案) → しっかり調べて分析をする(仮説検証)
仮説立案によってスピード+クオリティがUP!
仮説立案は「ターゲットを絞る」「あたりをつける」ということになります。その結果、選択肢を端から検証していく時間を大幅にカットでき、効率的にゴールに到達できます。
仮説立案では、状況を網羅する必要はなし
「仮説立案で絞ると網羅できないのでは?」と疑う人がいます。しかし、パレートの法則にもあるように「全体の2割のINPUT(時間)が8割のOUTPUTを構成する」にあてはまることが多いので、ほぼ杞憂に終わると考えます。経験値にもよりますが、仮説は自分たちが思っている以上に外さないものです。
ある事象の2割が、全体の8割を生み出しているという状態を示す経験則である。
仮説を外しても時間の無駄ではない
仮説を外したとしても、全体像を把握できているため、すぐに気が付きますし、次の仮説案を立てるときの精度が上がっています。結果的にやり直しの回数が少なくなるので気にする必要はありません。
「仮説検証」で間違えていたら訂正する
以下の手順で仮説検証を行います。仮説が明確なので、かなり絞り込まれているはずです。この仮説立案と仮説検証を行き来し、間違いがあれば、また別の仮説立案へと訂正しながらゴールへ近づいて行きます。最初に立てた仮説に愛着がわいてしまうという正当化バイアスに縛られないようにしましょう。
- 仮説立案した内容を因数分解
- それぞれの要因に対して定量的、定性的に調べる
定量的とは、データなどの数値化されたもののこと。定性的とは、ヒアリング結果などのこと。
【原則2】最終目的を意識して段取りを組む
最終目的を意識せずにすぐに仕事に取り掛かるのはやめましょう。いきなりブログを書き始めたり、プログラミングや設計に着手したりすることは、最終目的に対する「手段」でしかありません。思考停止の手段に走る作業者にはなってはいけません。
ビジネスでは、着手主義のような「とりあえずやってみろ」的な考え方もありますが、それは、今回のような「仕事をやると決める前段階」のことです。
まずは最終目的を意識して段取りを組みましょう。その際、「なぜそれをやるのか」を考えながら徹底的に段取りを組み、無駄な作業を削減してください。
ブログ記事を書くというタスクに対する段取りを例に挙げてみました。例が単調なのでそこまでは求めませんが、ビジネスマンの仕事の場合は、それぞれに期日とやることを決めておき、この段取りの合意をもらうことからがスタートになります。
- 記事で検索されるキーワードを決める
- 想定読者を決める
- 読者が抱える問題を確認する
- 記事を読む人の価値を考える
- 記事の根拠や信頼性があるかを確認する
- 見出しを決める
- 見出しだけで内容が成立しているか確認する
- 情報を集める
- ブログを書く
- 最終確認をする
- 完成
【原則3】周囲からフィードバックをもらう
仕事が遅い人は、自分の中だけで仕事を完結させようとして、大きな手戻りをしてしまいます。上司や同僚から都度フィードバックをもらうことは、作業のやり直しを防げる超有効な手段です。周囲を使い倒すつもりで気持ちで行きましょう。
例えば、上司の時間を奪うことに抵抗を感じる方もいますが、上司は部下が何をやっているかわからない状態が一番嫌なはずです。早い段階での仮説や段取りの内容確認は、やり直しを防げるので全体最適の視点ではたいへん効果的です。
さいごに
仕事を早くする3原則をおさらい。
- 【原則1】仮説を立てる
- 【原則2】最終目的を意識して段取りを組む
- 【原則3】周囲からフィードバックをもらう
実際に私も、この考えを取り入れてから本業も副業もじわじわと成果がでて、約4年で給料が1.6倍、副業時間も1日30分から4時間まで増やすことができました(他の施策や経緯があっての複合的な結果ではありますが...)。しかし正直、慣れるまでは大変です。つい目先の作業に着手してしまいがちですが、そこはぐっとこらえて、取り組んでみましょう。
ブログ記事を書く場合も同様に、仮説立案と仮説検証を繰り返して見出しレベルの構造を決め、最終目的を見据えて段取りを組んでから執筆すると公開までが短縮できそうですね。
では、また!