フリーランスエンジニア独立・開業の12の準備|3大リスクに備える

  • エンジニアがフリーランス独立するには何を準備したら良い?
  • フリーランスになる前に必要なスキルや手続きを具体的に教えて!
  • このまま勢いで会社を辞めてしまって後悔しないかな…

十分な心構えや準備もなく、「フリーランスエンジニアのほうが稼げる」からというだけで会社を辞めてしまうと、想定よりも「仕事がない」「事務負担が大きい」...etc 詰んでしまうことがあります。

私は本業のエンジニア業に加え、副業でブログ・Web開発・不動産など複収入を確立している個人事業主です。20年のエンジニア経験、開業の経験から、多くの失敗も学びました。

そこでこの記事では、フリーランスで独立する前(会社を辞める前)に必要な12の準備について解説します。

この記事を読んで事前準備を行えば、フリーランスエンジニアになってからの失敗リスクを最大限に減らすことができるでしょう。

 

フリーランスエンジニア独立・開業の12の準備|3大リスクに備える

フリーランスエンジニア独立・開業の12の準備|3大リスクに備える

エンジニアが会社員からフリーランスになる(独立する)際に、必ずぶつかる大きな3つのリスクがあります。

  • 【リスク1】定常的に仕事を確保できない
  • 【リスク2】確定申告・事務手続き...etc の付帯業務がある
  • 【リスク3】社会的信用が下がる

 

これらのリスク対策として、会社員であるうちに独立の準備をすべきです。

それは、会社員にはあって、フリーランスにはない「安定収入」と「社会的信用」の特権が使えるためです。

  • 安定した収入がある状態で余裕を持って準備できる
  • 社会的な信用がある状態で有利に準備できる

 

この3大リスクに備えるために、次の12の準備をしていくことをおすすめします。次章以降でそれぞれに解説をしていきます。

タイトル
  • リスク1対策
    「定常的に仕事を確保できない」リスクに備える

    ・ 【準備1】スキルシート・ポートフォリオを作る
    ・ 【準備2】複数のエージェントへ登録する
    ・ 【準備3】オウンドメディアを始める
    ・ 【準備4】人脈を作っておく

  • リスク2対策
    「確定申告・事務手続き...etc の付帯業務がある」リスクに備える

    ・ 【準備5】作業環境を備える
    ・ 【準備6】経理・確定申告の準備
    ・ 【準備7】開業届・青色申告承認申請書の提出準備
    ・ 【準備8】国民年金・国民健康保険への加入準備
    ・ 【準備9】福利厚生に備える

  • リスク3対策
    「社会的信用が下がる」リスクに備える

    ・ 【準備10】クレジットカードを作る
    ・ 【準備11】賃貸の契約をする
    ・ 【準備12】住宅ローン・事業ローンなどの借入をする

 

会社員とフリーランスの違いについては、次の記事で詳細に記載しています。

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【リスク1対策】フリーランス案件を定期的に獲得するための準備

【リスク1対策】フリーランス案件を定期的に獲得するための準備

まずはじめに、フリーランスエンジニアの3大リスクの一つ「【リスク1】定常的に仕事を確保できない」に備えましょう

このリスク1の対策・準備は、「スキルを磨く」「作業環境を整える」「営業環境を整える」の3つに分類できます。

フリーランスになれば、会社の看板を外し、あなたの実力だけで案件を継続的に獲得していかなければいけません。この3つのどれを欠いても、仕事は取れないし、運良く取れても継続はできません。

  • 【準備1】スキルシート・ポートフォリオを作る
  • 【準備2】複数のエージェントへ登録する
  • 【準備3】オウンドメディアを始める
  • 【準備4】人脈を作っておく

 

フリーランス案件の獲得方法は、次の記事で詳しく解説しています。

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【準備1】スキルシート・ポートフォリオを作る

フリーランスエンジニアの生命線であり、最大の武器となるスキルシート(履歴書・職務経歴書)を用意します。合わせて、そのスキルや実績の証明となるポートフォリオを用意します。

これはつまり、スキルシートとポートフォリオの内容をブラッシュアップしていく準備の過程で「スキルを磨く」ということになります。

 

 ポートフォリオとは?

エンジニアでいうポートフォリオとは、あなたのスキルや実績を証明するための資料やソースコードを含めた作品です。
採用される企業に対して、あなたの経験やスキルの価値をアピールできるため、書類選考に有利になります。最近では、ポートフォリオがないと面接を受けられないケースもあります。

 

スキルシートとポートフォリオの作り方については次の記事が参考になります。

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会社員のうちに、スキルセットを磨いておいく

スキルシートを一通り書ききることで、自分自身のスキルの棚卸しになったり、あなたの客観的な市場価値を把握の気づきになったりします。

明らかに足りないと自覚できているスキルは、会社員であるうちに補充しておくことをおすすめします。

たとえば、会社でPython言語でFlaskのWebフレームワーク使った開発経験しかない場合、Djangoでも同様にポートフォリオを用意しておけば選択肢の幅は広がります。

 

フリーランスとして食べていくだけの基礎力に自信が方は、汎用性の高いプログラム言語を習得しておくことをおすすめします。あなたが進みたい分野がなにか次第ですが、AIやビッグデータ分析に強いPythonやコンピュータサイエンスの基礎力が身につくC言語あたりは鉄板です。

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フリーランスとしての実践のみでスキルを磨くことは難しい

「スキルなんて実践で身につければ良いでしょ」の考え方は半分正しいですが、フリーランス初心者は現実的にそううまくは行きません。実践でスキルを磨きづらい理由は次の3つ。

  • 低レベルな案件ほど、誰でもできる作業的仕事が多く、学ぶ要素が少ない
  • フリーランスになると働くほどお金に直結するため、学習よりも仕事を優先してしまう
  • 得意なスキルばかり要求されるので、新しいことにチャレンジするキッカケが掴めない

 

以上のことから、ON/OFFを切り替えやすい会社員のうちに学習し、スキルシートやポートフォリオを磨く方が得策なのです。

 

シンジ

 実際にフリーランスになったら、得意ジャンル以外の案件を探す勇気は出ないもの。副業で本業とは別のスキルを使った案件を探し、稼ぎながら学ぶのもあり。

 

「個人で稼げる感覚」を掴むためにも、エンジニア副業で月に5万円を稼げるようになることをおすすめします。


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【準備2】複数のエージェントへ登録する

会社員のうちから、複数(できれば3社以上)のフリーランスエージェントに登録しておくことをおすすめします。

複数のエージェントへ登録する次のようなメリットがあり、特に「相場がわかるようになる」「自分の市場価値がわかる」点は大きい。

  • 相場がわかるようになる
  • 自分の市場価値がわかる
  • より多くの選択肢から案件が選べる
  • 案件が途切れるリスクが軽減ができる
  • 自分に合うエージェントが見極められるようになる
  • エージェント同士の価格競争をさせられる

 

シンジ

独立前に「需要がある仕事の種類」や「単価相場」がわかり、自分の市場価値を把握することでどのレベルまでスキルを上げるべきかの判断ができるようになる

 

「エージェントの種類が多すぎて選べない」という人は、次の記事で各エージェントの特徴を比べながら選択してみてください。

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単価相場について知りたい方は次の記事を参考にしてください。

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【準備3】オウンドメディアを始める

Twitter・Facebook ...etc のSNSやエンジニアブログ ...etc のオウンドメディアを始めることをおすすめします。

 フリーランスエンジニアがオウンドメディアを持つ意義

  • 「自分」という商品の宣伝・広告になる
  • 人脈形成に役立つ
  • アウトプットすることでスキルアップに繋がる

 

前述のスキルシートやポートフォリオは、書類選考や面接時に求められたら提出する、言わば、受け身の商材です。一方、SNSや自分のブログ ...etc は、広く世間の目に触れてもらうための宣伝・広告の位置づけになり、人脈形成にも役立つ攻めの商材です。

また、スキルや情報をアウトプットすることで、次のような点で成長のスピードが圧倒的に上がる効果も期待できます。

  • 要点を整理できる
  • 原理・原則をしっかりと理解できる
  • 学びが定着する

 

たとえば、エンジニアブログを始める際は次のような準備が必要になります。フリーランス独立する前からコツコツと始めて、フォロワーやアクセス数が集まっているほど、その後の活動が有利に進みます。

  • ドメインを取得する
  • レンタルサーバーを借りる
  • WordPressをインストールする
  • WordPressのテーマをインストールする

 

【準備4】人脈を作っておく

会社員のうちに多くの人脈を作っておくことが、今後のフリーランス生活で役に立ちます。

知人を介して案件を獲得できるだけではなく、フリーランスや経営者と繋がっておくことで、エンジニア以外のビジネス展開の際の将来的な仕事にも繋がる可能性があります。

 人脈を形成するための準備の例

SNSやビジネスマッチングアプリでコミュニティへ参加する
リアルな場で人と会うことに抵抗がある人は、人に会わずにコミュニケーションが取れる点がメリット。気軽に人脈形成ができる。

セミナーや勉強会へ参加する
「スキルを磨きたい」という高い向上心を持った人が集まるので、共通の話題で意気投合しやすい。

交流会やイベントへ参加する
エンジニア交流会・異業種交流会 ...etc 一般公募しているイベントは多数。参加者は皆、自分と同じように人脈を作りたいと思っている人なので、高い確率で人脈形成に繋がる。

商工会議所を活用する
(地方で独立を目指す人は特に)その地域で活躍している人と関わりを持つことができる。

友人や先輩のコネクションを大切にする
今の会社や環境で既に繋がっている人から人脈を広げていく。

 

【リスク2対策】エンジニア業以外の事務処理の準備

【リスク2対策】エンジニア業以外の事務処理の準備

次に、フリーランスエンジニアの3大リスクの一つ「【リスク2】確定申告・事務手続き...etc の付帯業務がある」に備え、本業であるエンジニア業以外の事務処理の準備をしましょう。

  • 【準備5】作業環境を備える
  • 【準備6】経理・確定申告の準備
  • 【準備7】開業届・青色申告承認申請書の提出準備
  • 【準備8】国民年金・国民健康保険への加入準備
  • 【準備9】福利厚生に備える

 

【準備5】作業環境を備える

フリーランスの作業環境の準備

「客先常駐だから開発環境は客先で用意してもらえる」は危険な考えです。自宅のデスク周りの開発環境や事務用品は会社員のうちに用意しておくべきです。

フリーランスになると、エンジニア業だけでなく、確定申告・経理・事務作業・営業活動・情報発信 ...etc の作業もあり、何かと自宅での作業が多くなるためです。

そしてフリーランスエンジニアであれば、業務時間に関係なく「自宅でのスキルアップや情報収集が生命線になる」という点も自宅の作業環境を整えておくべき大きな理由になるのです。

 

デスク周りの作業環境

参考までに、私の作業環境の例です。

どこまで準備をするかは個人差がありますが、人によっては、作業効率の効果が期待できるだけではなく、作業環境の充実がそのままモチベーションに繋がるケースもあります。

  • Dell 4Kモニター 27インチ U2720QM
    メイン作業用モニター。効率UPには欠かせない大きさと情報量。
  • Dell モニター 23インチ S2319HS
    サブモニター。縦置き利用でソースコード閲覧やブラウザ閲覧に便利。
  • Macbook Air 13インチ(ノートPC)
    コーディングやブログ ...etc ライトな作業だけであれば性能は十分。画像や動画の編集であればもう少しハイスペックなPCが必要。
  • iPad Pro 第4世代 11チンチ
    Apple Pencilを使った手書きのメモなどで情報整理する人はタブレットはあった方が便利。
  • その他
    自作デスク、オフィスチェアー、スクリーンバーライト、Windows PC、iPhone 11 Pro、AirPods、Kindle Oasis ...etc。

 

私のデスク周りの環境整備については以下の記事で紹介しています。

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事務用品(各種テンプレート)

発注や自作が必要な事務用品はできるだけ準備しておきましょう。フリーランス独立してからはできるだけエンジニア業に注力できる準備をしておくべきです。

参考までに私が用意している事務用品・テンプレートを記しておきます。

  • フリーランス(個人事業主)の名刺
  • 郵送・返送用に屋号・名前・住所を印刷した封筒
  • 屋号・名前・住所のゴム印
  • 各種書類のテンプレート(請求書・納品書 ...etc

 

シンジ

会社員のうちからエンジニア同士の交流会・勉強会に参加しておくとその後のフリーランス生活に活きます。その際、名刺があると便利です。

 

【準備6】経理・確定申告の準備

フリーランスになると確定申告を自分で行います。そのためには、会社では経理部署がやっていた会計・税務の事務処理も全て自力で行わなければなりません

フリーランスエンジニアとして稼働してから確定申告の準備をしていては、本業に専念できない状況に陥ってしまいます。

具体的な経理・確定申告の準備とは、次のようなことです。

  • 会計ソフトの導入
  • 事業用の銀行口座を作る
  • 簿記の勉強をする

 

 【補足】 独立前の支出は「開業費」として経費になる

独立(開業届に記載の開業日)よりも前の準備のための支出は、開業費として必要経費にできます。そのため、「できるだけ独立後に経費を使ったほうが良い」と準備のための出費をためらうのは非効率です。

常識の範囲であれば、期間制限や金額上限もなく経費にできます。その際の領収書はしっかりと保存しておきましょう。
» 参考|開業費の範囲とは?

 

会計ソフトの導入

確定申告には日々の記帳が必要で、手段としては次の3つがあります。その中でも特に「② 会計ソフトを利用」を強くおすすめします。

  1. 自力でエクセルなどで記録
  2. 会計ソフトを利用
  3. 税理士に帳簿を依頼

 

会計ソフトが良い理由は、①は帳簿が複雑になると詰み、③はコストが高いため。会計ソフトを使えば、複雑な「複式簿記」も自動でつけられるようになり、青色申告の心配もなくなります。

会計ソフトの中でおすすめは、もっとも人気が高く私も7年使用している「freee(フリー)」です。アカウント登録することで、30日間のお試し期間が無料となり、今すぐ始められます。

» 会計ソフト「freee(フリー)」を無料で始める
〜30日間の無料お試し期間後も月額わずか980円〜

 

 「freee(フリー)」でできること

  • 銀行やクレジットカード明細を自動連携
  • レシート・領収書をスマホ撮影して自動解析
  • 青色申告書や決算書をカンタンに作成可能
  • 請求書作成から資金繰りなどの経営分析まで可能
  • チャット・メールサポートが利用できる

 

事業用の銀行口座を作る

プライベート銀行口座とは別に、事業用の銀行口座があると便利です。

確定申告のための帳簿の際に、事業用の収入と支出は全て事業用の銀行口座で管理すると会計処理の煩わしさを減らすことができます。

特に、前述の「freee(フリー)」のような会計ソフトを使う際は、銀行口座との自動同期の機能があり、事業用の口座を登録しておくだけでプライベート支出と振り分けること無く使えるので時短になります。

 

簿記の勉強をする

1ヶ月程度の学習で誰でも簿記3級レベルは合格できるので、簿記を勉強しておくことをおすすめします。

簿記の知識があると、確定申告の帳簿付けで活きるだけではなく、経営分析・経営管理・節税対策 ...etc とビジネスをする上でなにかと役立ちます。

更に、プライベートな一般教養としても「不要な保険に入らない」「限界の住宅ローンを組まない」...etc の支出のコントロールや、資産運用としても役立ちます。

 

【準備7】開業届・青色申告承認申請書の提出準備

個人事業主になるために開業後から1ヶ月以内に「個人事業の開業・廃業等届出書」を税務署に提出する必要があります。その際に「青色申告承認申請書」も合わせて提出すると手続きが簡素化できます。

個人事業主になると、次のような恩恵があります。

  • 【メリット1】青色申告ができる
  • 【メリット2】小規模企業共済へ加入ができる
  • 【メリット3】社会的地位を証明できる

 

開業届、青色申告承認申請書の書き方と上記のメリットについては、次の記事で詳しく解説していますので参考にしてください。

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開業届の書き方

 

【補足】 「フリーランス」と「個人事業主」の違い

この2つの違いは「開業届」を出したかどうか。

  • 「フリーランス」は、特定の企業と雇用関係を持たずに仕事を請け負って働く「働き方」をしている人のこと
  • 「個人事業主」は、法人設立せずに「開業届」を出すことで税法上の区分として個人で事業を営む人のこと

使い分けは、働き方を聞かれたら「フリーランス」、仕事の形態を聞かれたら「個人事業主」と回答することになるでしょう。

 

【準備8】国民年金・国民健康保険への加入準備

会社退職後、14日以内に国民年金と国民健康保険(国保)を市区町村役場で手続きする必要があります。

実際に、手続きとしては退職後に準備しても十分に間に合いますが、「会社では半額負担してくれていた健康保険・厚生年金は、独立すると全額負担になる」という金銭的なシミュレーションはしておくべきです。

 

会社の健康保険や国民健康保険組合をやめたとき、届出に必要なものは次の3つです。

  • 健康保険資格喪失証明書
  • 印鑑
  • 本人確認書類(免許証・パスポート・マイナンバーカード等)

 

健康保険資格喪失証明書は、職場または保険証を発行したところでもらうようにしましょう。

国民健康保険の加入については、住所地の市区役所または町村役場のサイトなどで確認してください。

» 参考|国民年金機構(国民年金に加入するための手続き)

 

【準備9】福利厚生に備える

フリーランスには、多くの会社が制度化している福利厚生が無いため、いざというときの手段を自分で考える必要があります。

たとえば、年金・退職金の代わりとして「iDeCo加入」「小規模企業共済」の加入で補い、その他、慶弔見舞金・家賃補助・食事補助・教育支援・育児/介護支援・健康診断 ...etc の法定外福利は「福利厚生サービス」で補うことができます。

 

 【補足】 iDeCo(個人型確定拠出年金)とは?

iDeCoは、自分が拠出した掛金を、自分で運用し、資産を形成する年金制度。掛金を60歳になるまで拠出し、60歳以降に老齢給付金を受け取ることが可能。
掛金、運用益、そして給付を受け取るときに、税制上の優遇措置がある。
» iDeCo公式サイト

 【補足】小規模企業共済とは?

個人事業主が自分で自分のお金を積み立てて、事業をやめる時に受け取れる制度。銀行よりも金利が高く、掛金が控除対象となる。
» 中小機構の公式サイト

 

【補足】法定福利

社会保険(雇用保険、健康保険、介護保険、労災保険、厚生年金保険)と子ども・子育て拠出金が該当。
企業が従業員に対して費用負担することを義務付けられている社会保障制度のこと。

【補足】法定外福利

(自社提供による)

住宅手当/家賃補助・家族手当・健康診断・慶弔金・財形貯蓄制度・教育支援・文化/体育/レクリエーション ...etc 会社特有の制度。
(外部サービスによる)
スポーツジム/レジャーの利用割引・育児/介護・エンタメ・オフィス設備・社員食堂 ...etc 会社が外部サービスと連携して社員に提供しているサービス。

 

「福利厚生サービス」については、次の記事で紹介しています。

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【リスク3対策】会社員の特権で各種審査を通しておく

【リスク3対策】会社員の特権で各種審査を通しておく

最後に、フリーランスエンジニアの3大リスクの一つ「【リスク3】社会的信用が下がる」に備え、審査が必要になる手続きは、会社員のうちに済ませておきましょう。

フリーランスになると会社員では当たり前に通っていた各種審査も、通らなくなることが多いためです。

  • 【準備10】クレジットカードを作る
  • 【準備11】賃貸の契約をする
  • 【準備12】住宅ローン・事業ローンなどの借入をする

 

【準備10】クレジットカードを作る

まず、会社員として社会的信用があるうちにクレジットカードの発行はしておきましょう。

クレジットカードの支払いは借金扱いになるので、収入が不安定なフリーランスでは審査が厳しくなるためです。

【準備6】経理・確定申告の準備」で解説した事業用の銀行口座の作成と同様に、プライベート用と事業用でクレジットカードを分けておくと会計手続きでは便利です。

そのため、既にプライベートでクレジットカードを保有している人も事業用としてクレジットカードを作っておくことをおすすめします。

 

【準備11】賃貸の契約をする

フリーランスになると賃貸の契約も審査が通りづらくなります

私は8件の賃貸オーナーもしていますが、個人事業主(フリーランス含む)の方を審査で通せないことが何度もありました。

審査を通せない理由は、貸家オーナー側から見ると、長く住んでくれそうな人に家を貸したいからです。

その業界を知らない人にとっては、フリーランスで稼ぐイメージが沸かないので、「突然、稼げなくなって解約されそう」と思われがちです。

 

【準備12】住宅ローン・事業ローンなどの借入をする

前述のクレジットカードや賃貸契約と同様に、銀行などからの住宅ローンや事業ローンは、フリーランスになると審査を通すのが厳しくなります

フリーランスの傍らでやるビジネス(複業)と、会社員をしながらやるビジネス(副業)では、会社員という安定がある分、信用が圧倒的に後者の副業の方が高いです。

ブログやせどりなどのスモールビジネスであれば、借入するまでも無いですが、不動産投資・店舗経営 ...etc 初期投資が必要なビジネスをフリーランスになってからやろうと思っても借入で躓いてしまうということは認識しておきましょう。

 

フリーランスエンジニアになるための準備 Q&A

フリーランスエンジニアになるための準備 Q&A

最後に、フリーランスエンジニア独立に関するよくあるQ&Aをまとめました。

 

フリーランスエンジニアとして独立するまでの準備期間は?

事前のスキル準備が必要であれば、1年以上は見ておきたいところ

フリーランスとしてやっていけるだけのスキルがあって「後は独立するだけ」であれば、準備と会社を辞めるための手続きで3ヶ月を目安とします。

この3ヶ月の期間には、会社側があなたの後任を見つけるための期間も含まれています。円満退社をするためにも3ヶ月前には退職意思を上司へ伝えましょう

会社を辞めても同じエンジニア業界で仕事をするのであれば、今後も会社の人たちと繋がりがある可能性があることは忘れてはいけません。

 

フリーランス独立への準備資金はどれくらい必要?

「作業環境の初期費用」と仕事が無い期間の生活費として最低でも「 3ヶ月分の生活費」が必要です。

作業環境への投資や生活水準で個人差があるため、金額は一概には言えません。

 

フリーランスは会社員時代よりもどのくらいを目安に年収を稼げば良い?

フリーランスエンジニアは、会社員時代の年収の約1.32倍以上を稼げばOKでしょう。

正社員ITエンジニアの平均年収が約600万円のため、その1.32倍である年収804万円がボーダーラインとなります。

この数値の根拠ついては、次の記事を参考にしてみてください。

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まとめ

まとめ

以上、フリーランスエンジニアが独立・開業する際の3大リスクに備える12個の準備について解説してきました。

フリーランス独立の3大リスクとは...

  • 【リスク1】定常的に仕事を確保できない
  • 【リスク2】確定申告・事務手続き...etc の付帯業務がある
  • 【リスク3】社会的信用が下がる

 

これら3大リスクに備える12の準備事項とは…

  • 【準備1】スキルシート・ポートフォリオを作る
  • 【準備2】複数のエージェントへ登録する
  • 【準備3】オウンドメディアを始める
  • 【準備4】人脈を作っておく
  • 【準備5】作業環境を備える
  • 【準備6】経理・確定申告の準備
  • 【準備7】開業届・青色申告承認申請書の提出準備
  • 【準備8】国民年金・国民健康保険への加入準備
  • 【準備9】福利厚生に備える
  • 【準備10】クレジットカードを作る
  • 【準備11】賃貸の契約をする
  • 【準備12】住宅ローン・事業ローンなどの借入をする

 

これらの準備をすることで、フリーランスエンジニアとして独立する際の不安はかなり払拭されるでしょう。

 

フリーランスは「自分のペース」で「自分の力量」でお金を稼ぐ素晴らしい働き方です。

しかし、働けば働くほどお金になるため、「無理をして体調を崩す」「プライベートが無くなる」という状況に陥いりがちです。

それでは人生の価値を高めるためにフリーランスになったはずなのに本末転倒です。

そのため、「仕事とプライベートのメリハリをつけられるようになる」という点が何よりも重要な準備と言えるでしょう。

 

以上、このブログでは、このように「会社員エンジニアがフリーランス独立して自力でお金を稼げるようになるまで」の役立つ情報を発信し続けていきます。

ではまた!

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